水道水質データ、もっとたくさん欲しい

人間が健康的に生きるうえで、水(特に飲用水)が重要であることは当然です。

 

日本の水道水質基準としては51項目が設定されています。健康に関する項目が30項目で、一般細菌・大腸菌・ベンゼン・ホルムアルデヒド・・・など。生活上に関する項目が51項目で、pH・濁度・硬度・塩素イオン濃度・・・など。でも、あまり測定されません。

 

水道水質基準の概要(厚労省ウェブサイト)
水道水質基準の概要(厚労省ウェブサイト)

厚労省のウェブサイトを一見すると、一番上に51項目の基準が設定されていて水道事業者には遵守の義務が課せられています。

さらにその下に水質関連目標設定項目26項目があり、さらにその下に要検討項目47項目があります。

 

水質関連目標設定項目には、従属栄養細菌・アンチモン・アルミニウム・農薬類・・・などが決められています。また、農薬類で1項目になっていますが、この農薬類には60種類が設定されています。

要検討項目には、銀・バリウム・塩ビ・ビスフェノール・・・などがあります。

 

これだけ多くの項目で健康を守ってもらえるのですから、日本はすごく頼もしいと思ってしまうのです。ところが、この測定は、大して行われていないのです。何となく、規制項目があれば、それはいつも測定されて監視されているように思うのです。

 

実際の検査頻度は、次のようになっています。

1日に1回検査するのは、色・濁り・消毒の残留効果の3項目です。色・濁りは目で見るわけです。消毒の残留効果は、試験キットがあるので予め試薬が入っているチューブに、給水栓から出た水を入れて残留塩素があるかないかを比色法で判断します。

そして、水質基準の基本的9項目(一般細菌・大腸菌・TOC・Cl-・pH・濁度等)を測定するのが1か月に1回です。これも少ないですね。

 

水質基準の51項目の測定は、3か月に1回となっています。季節に1回ですから、何とも頼りないでしょう。ところが、実際にはこの3か月に1回の検査も大半は省略されておこなわれていないのです。上の基本的9項目とシアンやホルムアルデヒドなど11項目の合わせて20項目以外は、一定の基準のもとに省略してもいいということになっています。

 

 

省略される項目でも、概ね3年に1回程度は検査するようにはなっていますが、データ数が足らないように思います。健康への影響は長い期間を経て現れるものです。発がん性物質など閾値の無いもののデータの蓄積は、疫学調査などにも特に重要です。

日本人の遺伝的特性は外国人と異なりますし、胎児などへの影響などは未知のことも多いですから、もっとデータを!って思うのですが、いかがなものでしょうか?