ヒューマンエラーを防ぐのは管理と環境

うちの社員はヒューマンエラーが多くてかなわない。何とか教育してください→できません。

 

人は必ずミスをします。人だからこそミスをします(機械はミスしない・ミスしたのはプログラムを入力する人)。優秀な人ほどミスをします(医療ミスは医者がし、公文書改竄はキャリア官僚がする)。ミスしない人を教育や(ましてや叱責で)つくることはできません。

 

菊池だってエラーする
菊池だってエラーする

人がエラーする原因には、直接原因と間接原因があります。

 

直接原因というのは、仕事のやり方が決められていないことです。この通りに仕事してくださいと渡されたマニュアルにどうとでも解釈できる部分があって、自分なりにこうかなぁ?と思ってやったら、エラーになったような例です。

 

マニュアルに、「材料加工時においては、不良品が発生していないかどうかを適宜確認してください」なんて書いてあったら、あなたならどうしますか?

「材料加工時においては、1ロット100個毎に機械を止めて、1/25の間隔で不良品が発生していないかどうかを確認して、記録簿につけてください。不良が発見された場合は、・・・」ってあれば、明確です。

 

直接原因から起こるエラーを減らすには、管理の3要素である、①標準化 ②指導訓練 ③標準の遵守 で対応します。

 

間接原因というのは、人の人としての特性のことです。人は見間違う・聞き間違う・言い間違う・勘違いする・気を利かせる・気が緩む・知り過ぎている・過去の経験にとらわれる・ずるをする・疲れる・怒る落ち込む・喜ぶ悲しむ・緊張する・イライラする・・・。

 

間接原因から起こるエラーを減らすのも、広く言えば管理です。これらの間接原因を無くすことは絶対にできません。この原因があっても結果としてエラーにならないように防止する対策をとるのです。ヒューマンエラーは結果であって、原因ではないのです。

 

例えば、1とI、3と8、6と9を見間違わないためにどうするのか? 慎重によく見ること!って解決策は生産性を落とすだけですよね。まぁ、方法はいろいろあるでしょうから、社内で検討してみてください。

そのときに、忘れてならないのが作業環境と健康(疲労)です。例えば、その場所が暗いとか狭いとかであれば、見間違いを誘発するようなものです。残業3日目の夕方なども、見間違いしやすいです。

 

ヒューマンエラーを防止するのは管理と環境です。気合いで乗り切るのは限界があります。しごと(仕事)をするしくみ(システム)をつくることが大事です。