今からたった10年前ですが、日本はエネルギー分野で、2030年にtriple50(3つの50を達成する)という現実的な目標を持っていました。
その3つは、エネルギー自給率50%・化石燃料依存率50%・エネルギー有効利用率50%というものです。日本の安全保障と発展には不可欠な目標として認識されていました。多分、今でも基本は変わらないと思います。
現在の状況は、エネルギー自給率は多少改善されてきましたが2005年の約20%が8%台に下がっていて、化石燃料依存率は81%から92%台に悪化、エネルギー有効利用率は計算できないのですが、最終エネルギー消費/一次エネルギー消費の割合でみても悪化しているようです。
温室効果ガス排出量は2013年対比2016年は7.3%改善されていますが、2030年の約束である26%の達成にはほど遠い状況です。
名目GDPを分子にしたエネルギー経済効率は景気回復の効果で上昇基調ですから、省エネやエネルギー構造の改革に再投資することが望まれます。
既存原子力発電の再稼働が困難であるという社会的な課題と、日本の地理的な要因で再生可能エネルギーの利用が進まないという二つが大きく影響しています。ただ、このまま手をこまねいていては、次世代に豊かな日本を引き継ぐのが次第に困難になっていくことも確かです。
政府や行政だけでなく、経済界や各企業でも感情的というか妄想に近い議論ではなく、科学的で現実的な計画を考えて、実行していって欲しいと切に願います。
エネルギー自給率が10%未満で本当に安心ですか?・化石燃料に90%以上依存していて大丈夫ですか?・地球温暖化はデマだと本当に思っているのですか? 今年の酷暑を感じながら、もう待ったなしだという気になっています。