あなごの異称が”はかりめ”なんだって

今朝、出掛ける時にテレビでやっていて、ちょっと足が止まりました。

 

あなごの姿が、竿秤(さおばかり)の竿に似ているからだそうです。計量ネタのうえに、偶然ですが、前日の仕事であなごの蒲焼をつくっている事業者さんから、あなごの漁獲量が減って困っているという話を聞いたばかりでした。

 

あなご=はかりめ
あなご=はかりめ

あなごの漁獲量を農水省の海面漁業生産統計からグラフにすると、ほぼ一本調子に減っていることがわかります。30年間で4分の1になっています。

瀬戸内海はあなごの産地ですが、ここでも漁獲量が減っています。宮島・大野浦のあなごは大丈夫でしょうか?

 

そのあなごの姿が、竿秤の竿に似ているというわけです。今の若い人は、竿秤を見たことも無いと思います。

私たち世代でも、子供の頃に魚の行商に来ていたおばちゃんが使っていたのを見てたくらいです。計量士と言っても、あなごに似た、この形の竿秤を実際に手に取ったことや使ったことはありません。

 

上皿さおはかり
上皿さおはかり

現在のさおはかりは、右の写真のような上皿さおはかりやお米を量る台秤にように、荷物を上に載せる型式のものです。竿秤は携帯するには便利ですが、荷物もおもりもぶら下げるので使い勝手は悪いですよね。

はかる原理は、どちらもはかりたいものとおもりをつり合わせるので同じです。

 

もちろん現在では分銅なんか使わなくても重さはわかります。デジタル台秤なんかを使えばいいわけです。

しかし、上皿さおはかりは息長く使われています。その理由は、同じ重さのものをたくさんつくる場合などに簡単だからです。肉屋さんが200gの小分けを50袋つくるとか、農家の方がお米を40㎏づつ100袋詰めるというときです。

デジタル秤で数字を読むよりも、さおのつり合いで一目瞭然でわかるさおはかりは重宝なのです。なんでもデジタルが良いというわけではないのですね。

 

もちろん、上皿さおはかりも台秤も取引に使う場合は、検定が必要です。念のため・・。