どんな結果にも必ず原因があるか?

品質管理などマネジメント系の講習では、結果には原因があるというのが大前提です。

 

結果が望ましくないものだった場合には、結果を取り繕うだけでなく、その原因を取り除いたり改善したりすることを求めます。さて、原因がない結果というのは本当にないのでしょうか?必然ではなく、偶然というものも世の中にあるのではないでしょうか?

 

雲の平
雲の平

「人事を尽くして天命を待つ」と言います。

あらゆる事態を想定して、準備を重ねてできることは全てやったとしても、最後は天命に従うという意味です。しかし、全ての結果に原因があるなら、人事を尽くしたと言うことはできないのかも知れません。

人の運命にも必ず原因があるということでしょうか?

 

ここでは、原因が自分自身や自分の周囲にある、つまり自分がコントロールしたり監視したりできる範囲にあるかどうかが大事です。

大災害で被害にあった場合など、確かに原因があり、被害を避ける方法があったのだと思います。しかし、それが自分の力の及ぶ範囲であったかどうかが境界線です。

 

これは逆に言えば、自分や自分の会社の行動が他人に与える影響もでてきます。自分にとって良い行動が、他人にとっては悪い結果をもたらすかも知れません。特に、情報を公開せずにおこなったような場合、被害を受けた他人がいても、その人の力が及ばないこともあります。

 

また、良かれと思ってとった行動が裏目に出ることもあります。障がい者のいる集合住宅では、避難の容易な1階に重度障がい者の方が居住するのが普通です。しかし、水害時にこれが裏目になってしまった例もあります。

ものごとが計画通りに進まないことは、誰しもが経験していることです。計画はどんなに吟味したとしても、ある時点の知識と情報に基づいているので、事情が変わればその通りにはいきません。計画というのは、常にアップデートされなければなりません。

 

しかし、やはり結果には原因があるのです。

偶然の出来事というのは起こらないですし、想定外の出来事というのも、想定していなかっただけで、想定できなかったわけではないのでしょう。

自分や自分の組織の影響力が及ぶ範囲を広げていくこと。情報を監視している範囲を広げ、その深さや確度を大きくするように努めることですね。つまり、人事を尽くすということはできないので、絶え間なく努力することが必要になります。