事例無し・該当なし、ってことはないですよね?

マネジメントシステム監査とか、業務履行状況監査とか、手伝うことがあります。

 

この期間の苦情や要望への対応・・事例無し。是正処置や要望処置の実施・・該当なし。緊急事態への対応・・事例無し。というのが、結構多いのですが、そんなはずないですよね。

 

京都の外国人観光客
京都の外国人観光客

マネジメントシステムでは、外部からの苦情や要望を受けたら、これを記録して対応することが求められています。ところが、監査の期間に苦情も要望も無かったというのが、結構多いのです。

 

組織が活動をしていて、顧客に商品やサービスを提供して、原材料を仕入れて、従業員が働いて、お店や機械を稼働させて、1年間とか3年間とか活動を続けたのに、外部から1件の苦情も要望も無かったとしたら、その事業は止めたほうがよくないですか?

 

京都は外国人観光客に最も人気の高い観光地ですが、最も苦情や要望の多い観光地でもあります。苦情や要望が多いというのは、期待や希望の多いということです。苦情や要望こそが、組織が外部から認めれている証のはずです。

 

是正処置や予防処置の実施も同じです。是正処置とは同一不具合の再発防止で、予防処置とは水平展開(同種不具合の発生防止)です。もし、1年間にいかなる不具合も起こらなかったとしたら、素晴らしいことですが、その組織は活動していたのでしょうか?不具合に対する感度が大きく低下していたか、酷い隠ぺい体質ということはありませんか?

 

また、その組織と同じか似たような活動をおこなっている別の組織の不具合情報を聞きませんでしたか?これを他山の石として、不具合の発生を防止するのも是正処置ですが、1件も無かったですか?もしそうなら、組織の情報収集能力が劣化しているか、組織の担っている事業領域が急速に縮小しているか、いずれにしても危機ですね。

 

緊急事態への対応の事例がないというのも考えられません。実例ですが・・

私「緊急事態への対応はなかったのですね」相手「はい、緊急事態はありませんでした」

私「緊急事態の例はどんなことですか?」 相手「台風や大雨、大雪なども緊急事態です」

私「今期も何度かありましたね?」    相手「幸い、大きな被害はありませんでした」

私「何かの準備をしたんじゃないですか?」相手「はい、出勤待機にしたこともありました」

私「????」

 

PDCAをきちんと回すと、組織は強くなります。