水害復旧道半ばですが・・

実家の断水は昨日夕方に解消しました。まだ、給水開始まで時間がかかる地域があります。

 

ちょっと、気づいたことを書き残しておこうと思います。但し、あくまで聞き書きで、技術的・歴史的正確性は保証しません。教訓とするということです。

三原市本郷町下北方
三原市本郷町下北方

三原市では本郷町の浸水被害が深刻です。写真はユーチューバーの人がアップしていたものをお借りしました。

帰省の度によく利用する、ショッピングモール(マックスバリュー・ホームセンターナフコ・ドラッグストアウォンツなど)が水没しています。この写真の右に、本郷中央病院があり、その隣が東洋製罐とコカ・コーラの大きな工場です。

 

この場所は沼田川(ぬたがわ)の本流に支流の梨和川(延長4.7kmの短い川)が流入する場所です。梨和川で破堤があったということなので、その影響はあるのでしょうか?

梨和川は昭和35年7月水害で氾濫した後に、復旧河川改修がおこなわれています。それ以来の氾濫ということのようです。尚、沼田川本流では破堤はなく越水だったようです。もしかしたら、梨和川の破堤が意識し難かったのではないか?と思います。

 

河内ICから広島空港の東側を抜けて北方に抜ける道がいつもの帰省ルートです。梨和川の源流は広島空港付近にあって、この道は梨和川に沿って下っています。この道の両側に、今回の水害で話題になったコアストーンが除けてありました。梨和川の上流から、土砂や岩石が川を下ったのでしょうか。因果関係はわかりませんが、改修が行われた昭和35年には梨和川の上流は森林で、広島空港もなかったわけですから、いろいろ条件が変わるのかも知れません。

こういう環境変化があるのが、土木工事の難しさと思います。

 

さて、写真のエリアは、市の防災マップには100年に1度の雨量では2m以上浸水する危険があると表示されている地域です。これは濃い青で示されます。そして、実際に100年の1度以上の雨量があったわけです。

ただ、防災マップには5m以上浸水する危険という紫色のエリアもあります。今回、幸いに紫色エリアのほうが浸水被害が少なかったのですが、ちょっと印象が弱まる感じもします。

 

沼田川本流では船木地区の浸水が酷いです。住宅の2階の窓が壊れているようなところもあります。道路沿いフェンスの一番高いところまで木の枝などが引っかかっています。川の中洲にある木々のかなり高い位置の枝にビニールごみなどが巻きついています。

また、見ただけの印象ですが上流からかなりの土砂が流れ込んでいるようです。次の大雨に向けて、浚渫、川底の掘削、中洲の伐木などを急がなければならないように思います。

 

そして断水です。尾三地区(尾道・三原)は島しょ部(因島・瀬戸田など)を含めて、沼田川の水に頼っています。元々、瀬戸内海のちょうど真ん中で特に雨量が少なく、渇水で悩むことの多い地域です。この地域で、水源として頼っているのは沼田川だけです。(三原市では他に和久原川水系がありますが、通称が干川と呼ばれるほど、普段は水が少ない川です。)

 

沼田川は長さ48kmですから、宇部小野田で言えば、厚狭川より少し長く、厚東川より少し短いです。川の印象としても、厚狭川と厚東川の中間くらいの規模です。この川1本に、尾三地区25万人が頼っているわけです。他の水系からの融通もなかなか効きそうにありません。

今回は取水施設が破壊されているのが大きな問題のようです。月並みですが、施設のハード面での対応をしっかりしたいです。

 

また、将来的には地下水の利用ができないか?という課題もあります。高度経済成長期には各地で地下水の過剰汲み上げによる地盤沈下が問題になりました。しかし、現在は地下水利用は少なくなって、地下水位の上昇が問題になっている場合もあります。

今回、商店街のお店が近隣の方に井戸水を提供されていました。どんどん汲み上げるわけにはいかないでしょうが、行政が地下水位などをコントロールしながら利用するというのはあり得るような気がします。