ちょっと乱暴なのですが、上のような式で考えています。
今から2500年ほど前のソクラテスの時代のギリシャの思想です。テクネはテクノロジーの語源になった言葉で、技術・技能・技巧といった意味です。ノモスは人間が作った法律・規範・掟といった意味です。ポイエシスは製作・製造といった意味で、必ずしもモノには限りません。ポエム(詩)の語源でもあります。
技術や技能がなければものづくりはできません。しかし、技術や技能だけあっても、やはりものづくりはできません。
そこには、法が必要です。技術と法が揃って、はじめてものづくりができるというわけです。
ノモス(法)と対立する言葉はピュシス(自然)です。ノモスは人がつくったものです。人が人自らがつくった法に従うということです。ギリシアの人は、このノモスがあるからこそ自らの国は強いのだと確信していました。
アジアの大国ペルシアとの闘いに、貧しいギリシアが勝利できたのは、それぞれが手前勝手な思い込みで振舞うことがなく、法の下に規律正しく行動した結果だと知っていました。ものづくりはこの技術と法の両方あって、はじめて達成されるわけです。
日本がものづくり大国として、世界に認めれるにはこの両輪が大切です。技術では、質でも量でも中国を凌ぐことは不可能です。中国では、毎年400万人の技術者が輩出されるので、到底太刀打ちできません。
日本は、サッカーワールドカップでも世界から賞賛された統制されたプレー、サポーターが試合後におこなった清掃に代表されるような、規律正しさや礼儀正しさを大事にしたいですね。