部下によって情報の量と質を調整する

情報の共有化とか、コミュニケーションの充実とか言いますが、調整は大事です。

 

全ての社員に同じ量、同じ質の情報を与えることは不可能ですし、弊害が大きくなります。部下の階層、担当部門、個人のスキルや練度、ときによっては人柄によって、情報をコントロールすることが必要です。

コミュニケーション
コミュニケーション

例えば、定型的な業務が主となるレベルの人に、必要以上に多くの情報を与えてしまうと、ミスの原因になります。必要にして十分な情報を正確に与えることが大事です。

 

実は、そもそも情報を”正確に”伝えることは非常に難しいことです。

1つは伝える側の伝える能力が万全ではないことです。自分が持っている情報をきちんと口頭で、あるいは文書で伝えるスキルは幹部社員には必須ではありますが、会社が責任を持って訓練をしているかと言えば少し怪しいです。

ときによっては伝える側の人も、上司から聞いた情報を誤解している場合もあります。こうなると、伝言ゲームになってしまって、階層が下がるにつれておかしな情報が伝播します。経営会議→部課長会→グループ会議→・・などの情報伝達をする場合は要注意です。

 

一方で、情報を受け取る側の能力を見極めにくいこともあります。上司はよかれと思って、少しレベルの高い情報を意識的に与えることがあります。しかし、その情報を咀嚼して理解して自らの力に変えられるかどうかはわかりません。

 

コミュニケーションの頻度が多ければよいわけでなく、情報の量も多ければよいわけではありません。「そんなことも知らないのか!」というのは簡単ですが、知る必要のないことは知らないほうがよいのです。なんでもかんでも聞きかじっている社員より、仕事をきちんとこなします。

 

最近では、グーグルやマイクロソフトなどの先進的な情報企業で、会議やグループウェアでの1対多の情報伝達を避けるように変ってきています。結局のところ、必要十分な情報の伝達や意思の共有は1対1のコミュニケーションで成り立つということでしょう。