BCP:大規模地震で守るのは生命と信用

BCP(事業継続計画)作成の支援をすることがありますが、守るべきは生命と信用です。

 

地震
地震

BCPをつくるときに、大地震を想定することは当然です。

今朝発生した大阪北部の地震でも、多くの会社で操業の停止や縮小を余儀なくされているものと思います。

 

公共交通が寸断されていますので、出勤できない社員もいるでしょう。物流も途切れていれば、原材料が入荷できないとか、生産しても出荷できないとかとなります。

精密な製造機械などは振動で再調整が必要になっているかも知れませんし、場合によっては工場の建物や施設の点検が必要な場合もあります。

 

こうした場合を想定して、予め計画を立てておくのがBCP(事業継続計画)です。

中小企業の場合は、中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」に策定の仕方が丁寧に記載されています。サンプルに沿って埋めていけば、自然に完成するようになっていますので、つくっておくことをお奨めします。

 

ここで、重要な留意点は、大規模地震で守るのは生命と信用だけと考えることです。

確かに、主要製品の生産を早期に復旧させることは重要な課題です。

しかし、会社の機能復旧を最優先にして行動するのは危険です。会社の機能はモノなので、いつかは復旧できるでしょう。多くの製品は、生産再開が少しばかり遅れても何とか我慢してくれるでしょう。取り返しがつきます。

 

取り返しがつかないのは、生命です。従業員もそうですし、その家族、事業所の近隣の住民もいます。その人たちの生命と健康を損なわないことが最も重要です。

化学工場であれば、危険有害物もありますし、大きなエネルギーを使用したり保管したりしています。ときには、その後の生産再開が遅れることがわかっていても、安全にシャットダウンすることが必要になるかも知れません。判断の基準は、生命と健康だと心得ます。

 

それが、会社や事業所にとっての信用になります。会社の信用が確保され、少しのお金が手元にあれば、事業は継続できるものです。