中古車輸出先1位は、UAEからニュージーランドへ

中古車の輸出は東南アジアやロシア向けが多いと思っていたら、全く違いました。

 

中古車輸出先 2017
中古車輸出先 2017

某社さんは、工事用にトラックを使用しています。これまで、古くなって傷んだクルマは廃車にしていたそうです。

今回処分しようとしていたクルマも、結構酷い状態です。ところが、他の会社さんからの紹介で中古車輸出を手掛ける業者さんに査定をしてもらうことにしました。

今日訪問したら、たまたま、その査定しているところだったので、話を聞きました。

 

査定の方によると、トラックあるいはハイルーフのワゴン、かつマニュアルシフト、かつディーゼル車(軽油を使う)の3つが揃えば大抵いい値段がだせるのだそうです。もちろん日本メーカーのクルマであることは前提条件です。

今日の査定結果も売り手の会社さんがビックリの金額で契約が成立しました。

 

さて、中古自動車の行先ですが、てっきり東南アジアやロシアだと思っていたら全く違いましたね。昨年2017年のランキングでは、1位は中東のUAE(アラブ首長国連邦)で、2位は大洋州のニュージーランド、3位は南米のチリ、4位がアジアのパキスタン、5位はアフリカのケニアです。こんな、地球儀を俯瞰するような輸出品は珍しいですね。

ちなみに、2018年の1~4月ランキングでは、ニュージーランドがUAEを抜いてトップになっっています。

 

少し詳しくみると、UAEには年間15万台の中古車が輸出されています。人口900万人ですから、ちょっと不思議でしたが、UAEを経由してアフリカや中東の諸国に再輸出されているようです。UAEは日本の中古車の物流のハブというわけです。

 

ニュージーランドにも同じく年間15万台が輸出されているのですが、こちらの人口は450万人でUAEの半分です。再輸出しているのかと思うと、ニュージーランドから出す先がありません。つまり、ニュージーランドが最終消費地なんです。

 

つまり、ニュージーランドでは日本の中古車がバンバン走っているというわけです。この背景は、ニュージーランドは北海道を広くしたのような国ですから、クルマで長距離移動するのが当たり前です。ニュージーランドでは、走行距離30~40万kmくらいのクルマが普通なんだそうです。また、中古車の輸入や国内取引が個人間で容易にできるので、壊れにくい日本車が大人気です。ちなみに、最新の4月実績の車種別ではマツダ・アクセラが1位です。他は、SUVやコンパクトカーなど、高年式で高価格のクルマが輸出されています。

 

中古車輸出にはいろいろな事情がありますが、昨年1年間の中古車輸出台数は128万6千台、7256億円、平均価格56万円という大きな実績です。国内の中古車販売が380万台、2兆500億円、66万円ですから、比較すると30%くらいという結構な規模の取引があります。

興味深いところですし、今後に注目ですね。