昨日が「昭和の日」でした

日曜は連載があったので、1日遅れですが「昭和の日」について書きます。

 

昭和恐慌
昭和恐慌

昭和は1926年12月25日から1989年1月7日までです。最初と最後がそれぞれ1週間しかないので、実質的には1927年~1988年ということになります。

 

昭和の始まる10年前、1918年に第1次世界大戦は一応の終結をしました。しかし、戦後の混乱は世界中に拡散し、秩序がない混沌に陥っていました。

 

ヨーロッパはそれまでの力を急速に失っていきます。

イギリスの政治力は衰えアイルランドが独立(1922年)し、フランスは国民の不満を逸らすためにドイツに侵攻し対ソ干渉(1923年)をおこないます。イタリアではムッソリーニが政権(1922年)をとります。ドイツでヒトラーが政権につくのは1934年で今少し後です。

 

アジアやアフリカでは共産主義や民族主義が台頭していきます。

ロシア革命(1917年)を経てソビエト連邦が成立し、中国では1924年に国共合作が宣言され、インドシナ共産党の結成は1930年です。

インドではガンディーの指導の下で民族運動が活発となり、オスマン帝国が分裂した西アジアからエジプトにかけての地域では闘争が続きます。

 

日本も戦後の大不況にみまわれ、米騒動がおこり、社会主義運動が広がります。そんななかで、1923年に関東大震災が発災します。震災は、被災190万人・死者10万5千人・被害金額45億円(当時のGDPの1/3。今なら200兆円規模。)というとんでもない規模の損失を日本にもたらしました。

 

世界中の国は第一次大戦で疲弊していたなか、唯一の例がアメリカでした。アメリカは世界の工場として、農場として、生産力を過剰なまでに高めます。どんどんモノを作り続けるので、国内に買い手がいなくなり、モノ余りになっていきます。そこで、海外に売り込んで利益を拡大していきました。

 

ところが、戦後10年も経つとヨーロッパなど世界の国も少しづつ持ち直してきます。アメリカのモノを買わなくなってきたばかりは、逆にアメリカに海外から商品が入ってくるようになります。

そこで、アメリカは海外からの輸入品に高い関税をかけて、輸入を制限する政策をとりました。これに対して、世界の国がそれぞれにブロック経済圏をつくって対抗して、保護貿易に舵を切りました。その結末が1929年(昭和4年)のニューヨーク株式市場の大暴落にはじまる世界恐慌です。

 

この影響は、もともと疲弊していた日本に、さらに大きなダメージを与えます。昭和恐慌と呼ばれる事態では、多くの企業がつぶれ失業者300万人が巷に溢れます。農村では飢餓が現実のものとなり、女子の身売りが横行します。昭和はこのようななかで幕を開けたのです。

 

平成はバブルの狂乱で幕を開けますが、あっという間に長期不況に突入しました。

新時代の幕開けがいかなるものになるかは、もちろん予断は許しません。危機に瀕して慌てないような、堅実な経営を心がけることは大事です。