テレワークする人が減っている

テレワークとは、ICTを利用して時間や場所にとらわれない働き方をする人のことです。

 

テレワーク
テレワーク

「働き方改革」の目玉事業として、国はテレワークの普及促進に力を入れています。

 

もっとも、これは今に始まったことではなくて、もう30年以上になります。当時は、テレワークという言葉もあまり普及していなくて、在宅勤務とか言っていたように思います。

 

「テレワーク人口の倍増」と打ち出したのは、2006年の第1次安倍内閣です。生産性向上とワークライフバランスの改善を目的に安倍首相の肝入りでスタートしました。

実は、「働き方改革」は安倍首相にとっては、積年の思いがこもった課題なんです。

 

日本経済の回復と人手不足という背景から、多様な働き方を認める動きが活発になっています。インターネット環境やモバイルツールも飛躍的に進歩してきました。

当然、テレワークという働き方をする人が増えているのだろうと、うっすら想像していたのですが、どうも全く逆のようです。

 

日本のテレワーク人口は、2012年には在宅型220万人+雇用型710万人の合計930万人でピークとなりました。しかし、2014年には70万人+480万人=550万人となり、その後も減り続けているようです。

テレワーク人口調査は国土交通省が所管しているのですが、その後は統計をウェブ上に公表しなくなっています。どうも在宅型テレワーカーというのは、就職を希望していたが雇用されていなかった人のことだったのかも知れません。

 

テレワークは確かに多様な働き方の切り札になる可能性があります。しかし、いくつかの問題を抱えているのも事実です。特に、情報セキュリティーの問題は深刻です。情報の価値がどんどん高まっているなかで、インターネットの脆弱性は信頼することができません。主要官庁や大手企業ほどテレワークに慎重になります。現状では、付加価値の高い仕事はテレワークに向かないということです。

 

国会では「裁量労働制」についての議論が続いています。まぁ、いつもながら本質的な議論ではない時間つぶしなのですが、労務管理という問題は確かに深刻です。テレワーカーの労務管理をどうするか。もちろん、労働時間管理だけでなく業績の管理というか、仕事量の評価という意味も併せて見なければいけません。

どうやら、テレワーク人口はこれからもますます減少していくような気配です。