山口県では県産の優良木材を使った住宅建設の場合50万円の補助金が支給されます。
山口市にも同様の補助金制度があって、こちらの上限は30万円です。
山口県は西中国山地から連なる、豊かな森林資源を保有していますが、人口減少のなかで活用できないまま放置されているのが現状です。
簡単に言えば、伐り出しても採算が取れないので放置しているわけです。森林には水源としての機能や、自然の景観、防災などの機能もあるわけで、適切に保全されることが望ましいのは言うまでもありません。
山口県や各自治体でも県産材の利用促進を働き掛けてはいますが、お上の政策という感が否めません。補助金制度の手続きも小規模な事業者には使い難いですし、土木工事事業者に工事案内看板を県産材でつくれとか、ちょっとピント外れな感じがします。
そこで、夢の提案なのですが山口県や県内自治体の建設する庁舎は木造としてはどうでしょうか?ちょうど、老朽化した庁舎の建て替えが進む時期に来ました。宇部市役所は基本プランができて市民にお披露目されています。山口市役所の立地は、先の市長選の最大テーマでしたが現職の当選で現在地での建設で決まりでしょう。
写真はアメリカのミネアポリスにある「T3」という7階建てのオフィスビルです、1階とエレベーター部分が鉄筋コンクリート製ですが、それ以外は完全木造建築です。木造部分の延べ床面積が2万㎡を超えています。
大型の木造建築では、オーストリアのウィーンに「HoHoウィーン」という24階建てのホテルが建設中というのも話題です。カナダの「Brock Commns」の18階建てを超えて、世界一の木造高層建築になる予定です。
欧米を中心にして、環境負荷の低減や持続可能な社会の実現を背景にして、大型の木造建築がトレンドになってきています。
日本では、東大寺大仏殿(最初の建築は758年。現在の建物は1709年に再建)という巨大木造建築の歴史と伝統がありますが、近年の木造建築技術の開発では欧米の後塵を拝している感が否めません。
詐欺事件になって印象が悪くなりましたが、森友学園の校舎は木材を多く使用していることで国交省からの補助金を得ていました。この点は、評価もできるのです。
まぁ、”隗より始めよ”ですから、国や県市の建物は原則木造とするなんて、どうですかね?
特に、幼児教育用の保育所や幼稚園を木造とするのは教育効果も上がりそうです。
東京オリンピックのゴタゴタは噴飯ものですが、新国立競技場が「杜のスタジアム」として木材を多用する設計に変わったのだけは良かったかも知れません。