経営力とはなにか

多くの中小企業が「経営力向上計画」を所管大臣に提出して、税や金融上の支援を受けています。支援をすることが多いのですが、そもそも「経営力」って何でしょう。

 

経営力って何だ?
経営力って何だ?

何気なく使っている「経営力」という用語ですが、明確な意味がありません。経営力向上といっても、何をどれほど向上させるのかを考えるのは経営者それぞれの責任です。

 

経営力向上計画は経営強化法による支援ですが、中小企業に対して、「人材育成」「設備投資」「財務管理」の3つの取組を進めてもらおうという意図があります。

言い換えると、「ヒト・モノ・カネ」の充実ですね。

 

結局のところ、「経営力」とは「企業価値を高める力」というのがしっくりきます。そして、「企業価値を高める」とは、「資本を充実させる」ということになります。

 

ここで、「資本」には6つあります。6つの資本を充実させていくのが、経営の目的です。

最初の3つが狭義の企業資本です。

1.財務資本・・・利用できる資金を充実させることです。

2.製造資本・・・設備や商品部品など利用できるモノを充実させます。

3.知的資本・・・特許や商標だけでなく、技術・技能・情報など含みます。

 

次の3つが狭義の企業資本を増強するために、向上させなければならない企業資本です。

4.人的資本・・・社員の経験・能力。そして何より”意欲”です。

5.社会関係資本・会社が受ける社会的な評価やブランドです。

6.自然資本・・・生態系から提供されるエネルギーや材料の保全です。

 

企業資本の充実をすることで、社会的な信頼を高めることができます。「経営力向上」のゴールは、6つの資本の充実で達成されます。