サービス業の生産性向上はミックス・バランス・タイミング

先輩診断士さんとサービス業の生産性向上の指標について話しました。

 

笑顔の店員さん
笑顔の店員さん

製造業のオペレーターであれば、生産性向上の指標は「単位時間当たりの製造個数」など”量”だけで計ることができます。これは、毎回同じ品質(”質”)の製品をつくることが求められるからです。

サービス業のなかにも、伝票処理の請負とか飲食店の下ごしらえなどルーティンワークの業務もあります。この場合は、、製造業と同じく「単位時間の処理数」など”量”で計ることができます。

 

しかし、サービス業には相手である顧客がその場に存在するので、相手によって毎回同じサービスを提供できません。ハンバーガー屋さんで、若い女性のお客様が「ハンバーガー4つ」と注文されて「こちらでお召し上がりですか?」とマニュアル通り応えてはいけません。(大食いアイドルさんでない限り・・)

但し、相手によってサービスが異なるとはいえ、あまりに細かい接客をして時間を掛けると、後に並んだお客様の満足度が下がって、お店の生産性は上がりません。

 

サービス業の生産性は、量×質の掛け算で評価することになりそうです。

ところが、その質の評価が難しいところです。顧客満足度でアンケートを取るなんてのは、言うは易く行うは難しです。

そこで、サービスを受ける側に立ってみます。どんなサービスに満足を感じて、多くの対価を支払う(多めに買うとか、リピーターになるとか)を考えてみました。キーワードは、ミックス・バランス・タイミングでしょうか。

 

普通は、一度の購入でも複数のサービスを受けているわけです。最もシンプルなハンバーガー屋さんでもレジサービスだけではなく、居心地の良いテーブル、PCやスマホの充電、新しいセットメニューの紹介・・など、いろいろあります。

最適なサービスのミックスが質を高め、お店の利益を最大化します。(忘れてならないのは、どのサービスにも原価がかかることです。)

 

更に、サービス提供にはバランスがあります。お子さんや妊婦さんなど、一手間かけたサービスを提供することが求められる場合もありますが、若くて忙しい勤め人には親切過ぎるのはお節介になるでしょう。

最後に、同じサービスでもタイミングが最も大切です。一人の店員さんは、一度に一つのサービスを提供することしかできません。どのタイミングで、誰にどんなサービスをするべきなのかを的確に判断することが生産性向上につながります。

 

日本において、サービス業の生産性向上は大きなテーマです。いろいろな切り口で、ディスカッションしていきましょう。