猟奇殺人と死刑制度を考える

神奈川県で27歳の男性がSNSで知り合った9人の若者を殺してバラバラにしました。関連して、テレビで日本の死刑制度について放送していました。

 

死刑制度
死刑制度

まぁ、普通に考えれば9人もの人を続けて殺して、遺体を損壊したという事件です。犯人は極刑(死刑)になるのが当然のように思われます。

しかも、この事件では冤罪(他に犯人がいる)という可能性も考えられないわけです。

残るのは、精神に障害があって夢の中で実行したとか、責任能力がないとか、ということでしょうか?。しかし、これだけ整然と犯行を行える人に対して、責任能力を争うのは難しいでしょう。

 

さて、死刑制度です。

平成26年に内閣府がおこなった世論調査の結果では、「死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合が9.7%、「死刑もやむを得ない」と答えた者の割合が80.3%でした。つまり、日本では1割の人が死刑制度廃止と考えていて、少数派です。

しかも、「廃止すべき」のなかでも「即時に廃止すべき」は43.3%(つまり全体の4%)で残りは将来的には廃止という意見です。

 

日本には仮釈放を認めない終身刑がないので、死刑制度が必要なのだ。終身刑があれば死刑制度は廃止できるという考えもあります。終身刑があれば「死刑を廃止する方がよい」と答えた者の割合が37.7%,「死刑を廃止しない方がよい」と答えた者の割合が51.5%です。

 

ただ、終身刑も中味が大事です。日本の受刑者は人権がよく守られていて、刑務所も結構快適そうです。また、年間受刑者一人当り300万円ほどの費用がかかります。

今回の27歳の犯人を終身刑にしたら、2億円くらいの税金を投入することになるのですが、これもいかがなものかと思います。

 

最後に、死刑制度を考える前提で日本では死刑がどの程度あるのかを確認します。

平成23年から28年までの5年間に死刑判決が確定したのは36人です。この間に死刑が執行されたのは24人で、刑の執行を待たずに亡くなったのが11人です。つまり、死刑が執行されるのは、年間5人足らずということです。とても稀なケースです。

 

基本的には、死刑に該当するような凶悪犯罪がなくなればいいですね。また、今回のようなSNS利用などは、情報技術を駆使すれば廃除できるような気もします。

 

参考に関連ブログ

☞ 2016/06/16  ドラマ99.9%・・日本では刑法犯の99.9%が有罪になる!?