昭和の人から「働き方改革」なんて温い(ぬるい)こと言って大丈夫か?って聞こえます。
平成になったばかりの頃、製品試作のためにドイツの協力会社に行ったことがあります。
当時でも、ドイツでは「働き方改革」が進んでいると言われていました。しかし、実際には違っていましたね。
化学品の製造という、そもそも反応に時間がかかる仕事ということもあるのでしょうが、少なくとも幹部やキーになる技術者は、みんな長時間に働いていました。ドイツ北部は緯度が高くて冬場は15時くらいには暗くなるので、仮に21時まで働くと夜勤を終えたような感じになります。ドイツの法律に違反しているのではないか?と尋ねると、フフッ(*^^*) です。
その頃、韓国にも行ったのですが、こちらは名実ともに長時間労働です。韓国は現在でも世界で有数の長時間労働の国ですが、技術で世界に挑戦するんだという熱量を感じました。日本としても負けられないですよね。
さて、日本の「働き方改革」です。”残業をしない”で”有給休暇を消化する”というのは結構なんですが、会社の業績が悪くなっては本末転倒です。ライバル企業は、我が社は「働き方改革」をしている間を狙って虎視眈々と顧客を奪おうと狙っています。休暇を終えて仕事に戻ったときに、仕事が無かったってことにならないようにしないといけません。
経営者にとっては、頭の痛いテーマですが解決策は「20:80の原則」を活用することです。
「パレートの法則」とも言われるものです。”2割の商品が8割の利益を産む。2割の顧客が8割の利益を与える。2割の社員が8割の仕事をする。2割の時間が8割の成果を出す。2割が正確なら8割は正しく機能する・・・。”という「べき乗則」です。
このテーマは、以前にもブログで書きましたが、結論を出さないままでした。
☞ 2017/02/16 「働き方改革」に精勤で対抗できるか?
今日は仮の結論です。
どうも8割の人は「働き方改革」を錦の御旗として時短しても成果の量は変わらないようです。むしろダラダラ残業が無くなったほうが成果量が増える可能性もあります。少なくとも残業代などのコストが減ります。
この浮いたコストを2割の人の生産性向上に使うのです。この峻別を徹底的におこなって、会社全体の業績を上げていきたいところです。ここでは、「労働生産性の向上」を2割の人に厳密に絞り込むことが重要です。8割の人を対象にして巨額のお金でIoT化を進めるなんてことをすると、逆に全体の生産性が悪化することがあります。2割の人に絞り込めば、少ないコストで大きな成果が期待できます。
今日の結論を図にすると下のようなイメージですが、どうでしょうか?