IT時代の設備保全を考えよう!

私も工場の設備保全を担当していた時期がありますが、今の担当者はずっと大変です。

 

設備の劣化パターン
設備の劣化パターン

この世の中にあるものは、全て経時劣化します。設備も同じで、劣化しないものはありません。設備は多くのストレスを受けて稼働するのが普通です。動けば応力をうけたり、摩耗したり、熱を受けて劣化します。

仮に動体でなくて静体である設備でも、地球の重力そのものがストレスになりますし、空気中の成分が物質と反応し、温度の影響も受けます。

 

設備は多くの要素(部品)の組み合わせでできています。そして、一つの部品が劣化していって、最終的に機能を失ったときに設備全体が動かなくなります。

設備保全の重要な働きは、設備の部品がいつ機能を失うのかを予想して、修復をしたり更新をしていって設備全体あるいは工場全体の動きを止めないということです。

 

そこで、部品の劣化を計測して適切な保全時期を知っていなければなりません。私が担当していた20年ほど前は、部品の劣化特性を測ることは非常に重要で且つ有効でした。

 

部品の劣化パターンには、Aのように使用開始から徐々に劣化が進むものが多くあります。例えば、チェーンやベルトなどの動力を伝える部品や、ベアリングなどです。もちろん稼働負荷の状況によって劣化速度は異なりますが、定期的に監視をしていれば交換時期はわかります。これらの部品のトラブルで設備を休止させるのは保全マンとしてはダメですね。

 

Bのように使用開始からある時期までは劣化は進まないけれど、その時期を過ぎると急に劣化する部品もあります。わかりやすいのは表面加工を施している軸や歯車、塔槽類や配管などです。強化している表面が耐えられなくなったときに、急速に劣化するわけです。この状況を把握するにはちょっと知恵が要りますが、もちろん可能です。

 

ところが、近年はCのように予兆がないのに突然壊れる部品が増えてきました。ほとんどの電子部品がこのパターンです。設備保全係としては、メーカー推奨の交換頻度で交換するしか方法がないというのが現実です。

ところが、電子部品は年々進歩していて、寿命が延びてきました。そこで、試しにメーカー推奨期間を超えて使ってみても壊れません。何倍の期間になっても動いています。それじゃ、コストダウンのために交換周期を伸ばそうと考えるのは当然です。

 

しかし、冒頭に言った通りです。この世の中にあるモノは全て劣化するので、必ず壊れて機能を失うときがきます。IT時代の設備保全は本当に大変です。

教科書的には、故障時期を記録して適切な時期に更新しよう!と言えるのですが、現実的には難しい問題です。知恵を絞って考えるしかありません。