どうすれば景気回復を実感するのか?

衆院選挙に向けて、テレビで党首討論です。「景気回復の実感がない」そうです。

 

日経平均株価の長期トレンド
日経平均株価の長期トレンド

このブログでは何度か書いていますが、バブル時代のように誰もが実感できるような景気拡大は危険です。堅実な経営をしている企業や、若者はそんなものは求めていません。

緑がトレードマークの女性党首には、どうしてもバブル時代のイメージが重なります。

 

日本の景気を図る指標としては日経平均株価は有効なものです。先週末の株価は20,691円です。安倍政権が発足前の2012年11月の株価は10,395円でしたから、5年間を掛けてちょうど2倍になったわけです。

1989年11月にバブルで株価のピークを迎えていますが、このときの株価は5年前の3.4倍になっていました。しかし、その5年後には、株価は半分になりました。

 

景気悪化のダメージは経済的に弱い企業や個人にとって、より大きく響きます。じわじわと景気がよくなるのが好ましいのです。雇用の拡大や最低賃金の上昇で、家計の可処分所得は増加しています。バブル時代を経験していない若い世代では、景気回復の実感はあります。このくらいのペースで十分にいいと思います。

 

但し、世界経済には突然の激変が起こることがあります。2008年には、リーマンショックでは1カ月間で株価が25%下がりました。直近でも昨年5月に英国のEU離脱(ブレグジット)が決まると株価は大きく下げて15,000円を割り込みました。

 

多くの場合、日本一国の経済政策で、こういう激変の影響を受けずに済ますことはできません。北朝鮮の問題もありますし、米国のトランポノミクスの行く末も不安があります。

多少の乱高下はあっても、中長期的なトレンドで成長を続けて欲しいと思います。

 

日本の企業としては、技術革新に対応して成長を見込める中長期計画をしっかりつくっていくことが必要です。また、まだまだ海外企業に比べて見劣りする自己資本比率を高める(内部留保を厚くする)ことも大事です。