ドナルドはロナルドになれるのか?

歴代のアメリカ大統領で最も明るい性格なのは、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)。

 

アメリカ合衆国第40代大統領:Ronald.Reagan
アメリカ合衆国第40代大統領:Ronald.Reagan

ジミー・カーター大統領は、実に地味な方で、とても実直で真面目でした。国民に対して、正直に話しかけるのです。そうすると、国民は気が滅入ってきて、国全体に絶望感が広がってきます。カーター政権時代のアメリカの不景気は、大統領の性格も要因の一つかも知れません。

 

その反動でしょうか、アメリカ国民が次の大統領に選んだのが、映画俳優出身のロナルド・レーガン大統領です。1980年のことです。

アメリカ史上、最も暗いイメージの大統領から、最も明るい大統領への交代です。政治的な手腕や能力には批判が多いようですし、欠点や失敗も多かったようです。しかし、ずば抜けて楽天的で明るい性格の大統領の下で、アメリカは大きく変わりました。

 

レーガノミクスの是非(と言うか功罪)はともかく、レーガン政権の8年間で、アメリカのGDPは1.84倍になりました。「強いアメリカ」が再建されたのです。

外交面の成果は、何より冷戦を終結させてソ連を崩壊に向かわせたことです。細かいことは知りませんが、「強いアメリカ」で景気を良くして、このお金を軍事費につぎ込んで、”スターウォーズ計画(宇宙からソ連を攻撃する)”なんて映画もどきの戦略を立てました。

1980年時点では東側に傾いていた軍事バランスを、一気にアメリカ側に引き戻します。日本も呼応して、中曽根首相の「日本列島=不沈空母」発言に代表されるように同盟が強化されました。

 

結果として、米ソの軍拡競争はソ連を中心とする東側諸国の経済を急速に傷めます。挙って景気が悪化していき、軍事費を増大する代わりに社会保障費は削られていった東側の市民は、好景気を謳歌するアメリカをみて、羨むばかりです。

反共の市民勢力は徐々に力をつけていき、レーガンからブッシュに政権が交替した1989年にハンガリーで始まった政権打倒の流れは、止まることはできませんでした。ドイツ、チェコスロバキア、ブルガリアなどの共産党政権が雪崩を打つように崩壊して、1991年のソ連解体へと突き進みます。

 

時代は繰り返すでしょうか?

今のところ、ドナルド・トランプ大統領はアメリカ史上2番目に明るい、楽天的な大統領のように思えます。

米朝の競り合いは、米ソと比較して規模は小さくて、勝ち目は大きいのは確かです。それでも批判する人(国)は出てきます。安倍政権下で最も強い同盟関係である日本ですら、国内には反対意見を述べる勢力は強いです。

 

何にせよ、勝負事に勝つのは、明るく楽天的な人(不真面目に見える人)です。このタイミングで、ドナルドが大統領で良かったと、後で思えるといいなぁと願っています。