「明るいほうがお客さんはたくさん来て儲かるんや!」とは申せ、最適値はありそうです。
ドラッグストアの省エネ診断をしたところ、照明に使用される電力量がとても多かったとします。
実際に、店舗の照度を測定すると平均で1200luxもあり、部分的には1400luxもありました。明るすぎるようなので、照明を間引きするなどして、電力の節約をしてはどうでしょうかと提案したとします。
照度については、JIS(日本工業規格)に照明基準というものがあります。
☞ JIS照度基準(GSユアサのHPから)
量販店ですと、店舗の照度は750luxで陳列台で1000luxです。
1200luxを750luxに落とせば、大きな省エネになりますが、冒頭の社長さんは「明るいほうがお客さんはたくさん来て儲かるんや!」と言われます。長年の経験で、確かにその通りなんだと思います。
現在の照明は蛍光管でもLED照明でも、本当に明るいのです。社長さんの望みをかなえる照明器具がたくさん販売されています。
しかし、店舗が明るいほうが売上が増えるというのが、上のグラフのように一直線なのかが問題です。
店舗の明るさに比例して売上が増えるなら、当然ながら利益も増えていきます。
しかし、ある程度明るくなれば来店客数は徐々に頭打ちになってくるのが普通です。そうなれば、照明に使う電気代や施設費が利益に勝っていくところが出てきます。つまり、利益が最大になる照度があるというわけです。
省エネ相談では、何が何でもエネルギーを減らすということは言いません。地球のために低炭素にするのが、会社の責任だ!と主張しても、会社が利益を出さないと始まりません。つまり、会社の利益を最大にすることが省エネの目標になります。一緒に考えていきましょう。