どうやら化石燃料ばかりではない雰囲気です

石炭・石油・天然ガスに、メタンハイドレートやシェールガスなども化石燃料と言われます。

 

石油の採掘
石油の採掘

石炭は確かに化石燃料だけれども、石油や天然ガスは違うんではないか?という説が勢いを増してきています。

 

地球が小さな天体の衝突と合体によって出来はじめたのは、約46億年くらい前のことです。大きな天体が小さな天体(塵や岩石)を吸収していき、今の地球の2割くらいまでの大きさになると、地球の内部にあるガスが地表に放出されるようになります。これが原始大気で、水蒸気と二酸化炭素が主な成分です。もっと大きくなると火山活動が始まり硫黄酸化物が大気の組成に加わります。

 

原始大気で地球が覆われた40億年くらい前には、この二酸化炭素や硫黄酸化物を吸収・分解する生物(植物プランクトンのようなもの)が誕生していきます。光合成をおこない、炭素や硫黄で身体をつくって、酸素を吐き出すわけです。

酸素濃度が高くなると、植物プランクトンを捕食して酸素を吸収して二酸化炭素を吐き出す生物(動物プランクトン)が誕生します。その後、樹木や動物などに生物は進化を続けます。

 

これらの生物が死んで、地中(海中)深くに堆積して長い年月で加圧されて、更に分解されて石油や天然ガスに変化したというわけです。石炭は主に陸上に進出した生物(樹木)の化石が加圧圧縮されたものです。そこで、これらの燃料を化石燃料と呼びます。

 

ところが、石油や天然ガス、シェールガスやメタンハイドレードは生物由来の化石燃料ではないという無機起源説が有力になってきています。これまで人類が採掘して使用した量や推測されている資源量が大きすぎて、長い地球の歴史でも有機物だけは賄えないだろうというのが結論です。

 

それでは、石油や天然ガスはどうやってできたのかというと、地球のマントルや地殻深所で無機反応によって炭化水素が合成されたというのです。

以前は主にロシアの研究者が唱えていた説だそうですが、このところ、無機起源説を補強するような有力な実験結果が発表されています。アメリカやヨーロッパの研究機関がマントル上部を再現した超高温・高圧化で石油や天然ガスを生成することを実証実験で証明したからです。

 

もちろん石油や天然ガスの全てが無機起源ではなくて、中東などで採掘されている石油は化石由来に違いはありません。しかし、無機起源の石油や天然ガスもあるとなると、日本の近くでも探索次第では石油や天然ガスの資源が見つかるのかも知れません。

まぁ、地球温暖化が益々進行するなかでは、わざわざ探し回ることもないですが・・ちょっと興味深いですね。