新たに導入される農業の収入保険制度に加入するには、青色申告が必要です。青色申告制度にも大きなメリットがありますし、難しいことではありません。青色申告をしましょう。
以前、このブログで農業の収入保険制度のご紹介をしました。
紛糾することが予想されていたTPP対策として創設された制度ですから、農家にとって非常に手厚い保障になっています。
簡単に言えば、”理由のいかんを問わず”、農業収入が1割以上減少したら、その減少分の9割を補填するという保険です。こんな保険は農業以外の産業ではあり得ません。
仮に、基準収入が1000万円の農家で、ある年の収入が500万円になった場合を計算します。
(1000×0.9-500)×0.9=360万円
360万円が保険から補填されるので、この年の収入は860万円となります。
これにかかる掛け捨て保険金は、1000×0.8×0.9×0.01=7.2万円です。
これに入らない手はありませんが、そのときにネックになるのが「青色申告」です。
青色申告をすると、65万円の所得控除が受けられるうえに、損失の繰越しや繰戻しが可能になるなどメリットがあります。
しかし、青色申告では「正規の簿記」(複式簿記)での記帳が必要で、農家には難しいと避ける人が多いようです。また「簡易な方式」では特別控除が10万円しか受けられないので、メリットが無いと考える方もいます。
しかし、「正規の簿記」を「簡易帳簿」でおこなうことができます。ここで詳しく書くことはできませんが、日々のお金の出入りを整然と記録することに加えて、期日での棚卸し、預金や借金など債権債務の記録などを簡易におこなうだけです。要するに、貸借対照表と損益計算書が作成できるレベルであれば「正規の簿記」と言えます。
是非、嫌がらないで、取り組んでもらえるといいと思います。