日本のサービス業の労働生産性が国際的にみて非常に低いと指摘されています。
実はサービス業に限らないのですが、日本の労働生産性は低いのです。ここで労働生産性というのは、付加価値額を労働投入量で除したものです。
労働生産性が低いというのは、付加価値額が低いか労働投入量が多いかということになります。
付加価値額の計算にはいろいろありますが、加算法では「営業利益+人件費+減価償却費」で求められます。
付加価値額は低いというのは、要するに営業利益(儲け)が少ないということです。
尚、労働投入量は「労働者数×労働時間」です。
さて、サービス業で労働生産性が低い原因は、労働投入量に対して儲けが少ないということです。
儲けが少ないのは、品質に対して価格が安いのが最も大きな要因です。つまり、「おもてなし」という高い品質のサービスを提供していながら、それを価格に反映させていないことが問題です。
海外からのお客様がたくさん来られるようになりました。一様に日本のサービス業の「おもてなし」を賞賛されています。
それは、そうでしょう。私たちが海外に行ったとき受けるサービスは酷いものです。そんなものだ、と思っているから喧嘩もしませんが、商品はほとんど放り投げるし、「ありがとう」の言葉を聞くこともありません。それでも、価格は非常に高いです。
日本のサービス業の「おもてなし」がプライスレスのままではいけません。少なくとも、国際水準としての品質に見合った価格まで引き上げることが必要です。一つの指標は、大幅に増えた日本へ渡航する外国人の目線でしょう。この人たちが充分に納得する価格を基準にして、見直していくことだと思います。