蒸気加熱には省エネのネタがいっぱい

中小工場でも蒸気を使って加熱する設備を使うことはよくあります。意外に省エネのネタが隠れているのが蒸気です。

 

青空に蒸気が・・
青空に蒸気が・・

先ずは蒸気漏れのチェックをして、漏れを発見したら改修をします。

 

室内はともかく、屋外で配管のフランジとかバルブのグランド部分から漏れている蒸気を放置している場合があります。蒸気が漏れていると思わないで、お金が漏れていると考えたほうがいいです。

目視で気づく程度の蒸気漏れでも、ちょっとした配管(50A以上くらい)なら、損失金額が年間1万円以下ということはありません。

 

また、多いのはスチームトラップからの漏れです。スチームトラップは、蒸気の乾き度を保つために、配管中で発生したドレンを外に出す装置です。

ドレンの排水管は、排水溝やピットなどに入っていて、見難い場所にありますから、点検をしなかったり、重大に感じないものです。

スチームトラップからの少量の漏れでも、同様に損失は1箇所当りに年間1万円は超えるはずです。

 

運用面でのエネルギーの浪費は、蒸気圧力が高すぎるケースが最も多いようです。必要以上に高い圧力の蒸気は無駄ですから、目的に合う範囲で、最も低い蒸気圧に調整することが大切です。

同じように、蒸気配管が太すぎる場合ももったいないです。設置の当初は、将来の拡張性を考慮して大口径配管を選択したとしても、必要がなくなったりしていれば、細い配管に替えることを検討してもよいでしょう。

また、配管の保温が無いとか、保温が壊れている場合には、早めに修繕することは大切です。

 

よくあるのが、ある蒸気使用装置を使わなくなったときに、装置のバルブを閉めて済ませることです。この場合には、ボイラーから装置までの配管には蒸気が送られっぱなしになっています。装置を使用しないのなら、ボイラーの出口で蒸気を遮断しましょう。

 

蒸気のムダは、水(水処理含む)と燃料の両方に効いてきます。排熱のリサイクル利用の可能性もありますから、十分検討すれば意外に大きな利益が生まれるかもしれません。