困っていることを解決してはならない

参加したセミナーで講師の方が話されました。もう一つ、「欲しいものを買ってはならない」ということです。

 

困っているインカアジサシ
困っているインカアジサシ

「困っていることを解決してはならない」というのは、ちょっとおかしく感じます。しかし、「欲しいものを買ってはならない」というのであれば、なんとなく合点がいきますね。

 

要点は、ナゼ困っているのか?、ナゼ欲しいのか? を一度立ち止まって考えてみることが大切だということです。

困ったことを解決できたのに、もっと大きな困ったことができてしまうこともよくあります。欲しいものを買ったのに、使わないで放置されたままのこともあります。

 

例えば、ものづくりの現場で「機械の故障で納期に間に合わない」という困ったことが起こりました。普通の場合の解決策は、「ようやく動くようになった機械を使って、徹夜で作業して何とか間に合わせる」ということでしょう。

しかし、その努力の結果が、「仮修理で動かした機械でつくった製品が実は不良だった」「徹夜して作業した課長が倒れてしまって3日休んだ」だったらどうでしょうか?

 

ナゼ困っているのか?立ち止まって考えれば、実は決められていた納期は価格の安い運送便の都合だったとか、これまでに製造が終わった製品でお客様の工程3日分はあるとか、機械の故障は蒸気圧の変動が原因だったので修理して稼働させても製品の品質が安定しないとか、・・いろいろなことが分かるかも知れません。

 

「欲しいものを買ってはならない」というのは、皆さまも何度も経験されていますよね。ナゼ欲しいのか?考えましょう。買った瞬間に、ナゼ買ったのかなぁ?と思うことすらたまにあります。ついでですが、「食べたいものを食べてはならない」「飲みたいものは飲むな!」なんかは、もっと真実ですね。