市場予測の難しさ~コインパーキングの事例

3カ月ほど前のことです。JR宇部駅の前に、コインパーキングがオープンしました。

 

都会の方にとって、駅近にコインパーキングがあるのは当然だと思います。しかし、宇部駅の周りにはコインパーキングなんか一つもありませんでした。何となくコインパーキングの必要性を感じていませんでしたし、仮にあっても経営が成り立たないように思っていました。

 

宇部駅前駐車場配置
宇部駅前駐車場配置

そのコインパーキングができたのが緑色の●で示した場所です。駅近というより、駅そのものですよね。

青色の○を二つ描いています。小さい○が、駅前の送迎用駐車場です。一応「長時間駐車はご遠慮ください」と標識があります。

大きい○は、ショッピングモールの駐車場です。食品スーパー、本屋、食堂など複合施設の駐車場です。もちろん、無料です。

 

何故、コインパーキングの経営が成り立たないと思ったかといえば、無料で駐車できる駐車場が近くにあるというのが理由です。駅の送迎用駐車場に長時間駐車しているクルマは多かったのですが、そもそも在来線の宇部駅で送迎用駐車の需要はほぼゼロですから問題にはなりません。駅前のロータリーや道路も広くて、ここにも駐車しているクルマもあります。

ショッピングモールの駐車場も十分に広く、駐車するところを探すといったことはありません。単独店舗でもないので、長時間駐車でクレームがつくこともありません。

要するに、駐車の需要に対して不足は無さそうに思えたのです。

 

ところが、オープンしてみると、このコインパーキングの稼働率はかなり高くて、どうも儲かっていそうです。30台くらい駐車できて、料金が1時間100円で、24時間最大300円という価格設定です。いつも、クルマは10台くらいは停まっていて、60%以上が埋まっているときもあります。

そして、顕著な変化は、駅前の送迎用駐車場が見事に空いたことです。ここには、15台くらい駐車できて、以前はそこそこ埋まっていました。でも、今はガラガラです。駅前の路上駐車もすっかり減りました。無料で停めていたクルマが有料のコインパーキングに移動したのです。

コインパーキングの建設中に、大丈夫かな?と思っていた不明を恥じるばかりです。