オリンピックの成功か失敗かは開催前に決まる

相変わらず、東京オリンピックは費用負担でゴタゴタしています。オリンピックのようなビッグプロジェクトでは、成功か失敗かは開催前に99%決まります。

 

裏の経緯はよく分からないですが、報道では以下のようになっています。

東京都の小池知事が都外の仮設施設の建設費や大会運営費の負担について時間稼ぎを繰り返して決めない。業を煮やした神奈川・千葉・埼玉の三県の知事が首相官邸を訪問して安倍総理大臣に直訴したところ、首相が丸川オリパラ大臣に東京都の決定を待たずに対処するように指示した。追い込まれた小池知事が首相に会って、東京都が全額負担することを伝えた・・云々。

 

会社でも全く同じですが、成功した巨大プロジェクトというのは計画がしっかりと詰められていてブレが大きくないプロジェクトです。途中で、ゴタゴタして二転三転したプロジェクトが最終的に成功する例はないでしょう。終わりよければ・・なんてことはありません。

ロゴマークや新国立競技場から始まったゴタゴタは、都知事二代の交代があり、豊洲新市場移転に伴うインフラ整備遅れ、組織委員会を含むガバナンスの課題など、なかなか収束に向かっていません。

 

東京2020
東京2020

東京大会の総費用は2兆円とも3兆円とも言われています。関連投資の総額は20兆円とか、経済効果は2020年までで30兆円とか、景気の良い数字が並んでいます。

オリンピックをアスリートの祭典とか、スポーツの新興とか考えるのは間違いです。オリンピックに出場する競技者は1万人くらいで関係者も合わせても2万人です。2兆円の費用は1人当たり1億円の支出を意味します。この費用は、東京という都市機能の発展に使われるから意味があるのです。

 

近年のオリンピックは成功ばかりではありません。ブラジルのリオ大会の成否を現時点で言うのは早いでしょうが、完全な成功とは言い難いでしょう。一方で、ロシアのソチ冬季大会は現時点で完全な失敗と言っても間違いという人はいないでしょう。

 

東京の次、2024年オリンピックの開催都市は立候補辞退が相次いぎました。現時点で、ロスアンゼルスとパリの2都市しか残っていません。ちょうど、アメリカとフランスでは共に新しい大統領(いろいろな面で新しい)が就任したところです。

今年9月のIOC総会で開催都市は決定されるのですが、その時点で東京の成功が覚束ないなんてことになると・・? ちょっとマジで心配しています。