中国の工業団地も整備されてきました

中国の工業団地の街路も、以前と比較するとよく整備されています。同じ時間帯で比較していないので何とも言えませんが、世界の上位レベルには入っています。

 

先進国を含めて、工業地区というのは雑然として、決して綺麗とは言えません。日本でもアメリカでもヨーロッパでも同じです。アジアの国々では、更に危なっかしい感じがするところも多いです。今回、数年ぶりに中国に来てみて、変わったなぁと思います。

 

以前は、道路の陥没や擁壁の崩落なども見られたものですが、今ではほとんどありません。道路のメンテナンス工事を各所でおこなっていますが、車線規制の案内表示もきちんとされていています。何より旗を持って誘導する警備員がきちんと配置されています。

トラックもどうやって積んだのだろう?と思うような芸術的な過積載があったものですが、今はそんな酷いのはありません。車体そのものも新しくて綺麗になりました。

 

工事現場の足場も以前は竹で組んだものばかりでしたが、今は鋼製パイプで組んだ足場が、特に高い建物では普通です。少し横道ですが、竹で組んだ足場というのは、意外に機能的で合理的な手法だと思います。長年の歴史がある技術ですし、きちんと管理できれば、安全性に劣るわけでもなさそうです。日本でも東京タワーの建設などでは、竹で組んだ足場が使われたわけです。なくしてしまうのは、残念な技術です。中国では、専門の養成学校があって、足場技術者として技能を教授しているようですから、これからも残っていくとよいと思います。

 

中国の工場では環境汚染の問題が大きいのは事実です。中国政府の厳しい指導がニュースになりますが、実際に操業停止を命令される工場もたくさんあるようです。

このため、公害防止装置の設置を進める工場が増えています。環境設備は中国製が大半ですが、監視機器類は島津や堀場など日本製のものも多数使われています。もちろん問題は、処理装置も監視装置もそれぞれがきちんと機能しているかというマネジメントにあります。

 

これは、日本でも同じなのですが、厳しい規制の数字を決めても、それを守るかどうかは運営側の考え方によってきまります。中国は世界一の人口と世界4位の面積を有する大国であり、貿易の割合もアメリカや日本よりも高くなっています。中国の経営者は世界とビジネスをおこなうなかで、社会的責任への考え方も世界基準へと変化してきています。環境マネジメントでも急速に追いついてきています。

現在も残る課題としては、地方政府の姿勢とか、監督官庁の技術者の能力などが上げられるようです。まだ改善の必要があるように言われます。