山口県の農業を成長産業にする~1~

最近、農業経営に関して触れる機会が増えてきています。連載するわけではありませんが、ときどき農業経営についても書こうと思っています。

 

山口県でも、農商工連携とか6次産業化(1次×2次×3次で6次)で農業を成長産業にしようといういう取組みが活発におこなわれています。従来の農家だけでなく、異業種から農業への参入を促したり、農業をビジネスとして起業することを促す取り組みです。

世界最高品質の日本の農産品を世界(特に欧米先進国)に売り込むというテーマなどは華やかで夢が膨らみます。山口県にも多くの優れた農産品がありますので、最近話題の「忖度」にも期待して売り込みを図りたいところです。

 

日本の農業の状況と同じ傾向ですが、山口県の農業は右のようなグラフで表されます。

1985年から2015年までの30年間、5年毎の農業センサスのデータです。

 

離農が進み、農家戸数が減っています。販売農家は30年間でほぼ三分の一になっています。減少の割合は一貫しています。

 

農業出荷額も30年間でほぼ半減しており、畜産などを除く耕種農業(田や畑を耕して種を蒔く農業のことで、普通の人がイメージする農業)は半分以下に減っています。但し、この15年ほどは下げ止まりが見えてきています。

 

このため耕作を放棄した農地が増えていて、30年間で3.5倍になっています。但し、農家の耕作放棄地はこの15年ほどは増えなくなっていることがわかります。

 

つまり、グラフをざっと眺めると山口県の農業は荒廃の一途を辿っているのですが、農家の戸数が減るほどには農業産出額が減っておらず耕作放棄地も増えていません。 

乱暴ですが農業産出額を販売農家戸数で割ってみたのが、左のグラフです。農家戸数当たりの産出額は、ボトムであった2000年に比べて2015年は1.5倍になっています。

 

農家のあり方は千差万別で、一概には言えないのですが、農業を経営という視点で評価して成長を促すという時期になってきているようです。