企業内診断士の副業はどこまで許されるのか

中小企業診断士の資格者の半数以上は企業や組織に勤めている人です。

 

プロコン(プロのコンサルタント=専業の中小企業診断士)より、企業内診断士のほうが役に立つ仕事はたくさんあります。実務経験と現場現実現状(三現)のネットワークは、何物にも代えられない財産になります。

 

そこで、企業内診断士の業務について整理します。

企業に勤めているわけですから、コンサルタント業務を行う場合は「副業」となります。たいていの企業内診断士は、上場企業など大手企業に勤めています。

(注意:地方自治体に勤務して診断士資格を持っている人も企業内診断士のカテゴリーですが、公務員の場合は職務専念義務があり、副業は禁止されています。地方公務員法35条・38条など参照。いろいろ抜け道もあるやですが、原則ダメです。)

 

企業の場合は副業禁止を就業規則で定めているのが普通です。パターンは2種あります。

1)他人に雇われることを禁止する。2)副業をすることを禁止する。です。

 

1)のパターンの場合は、独立した診断士として仕事をすることは可能です。

但し、以下の注意事項があります。

① 予め会社の許可を得ること。

② 会社の秩序を乱さず、会社の業務に支障がないこと。

  ・・例えば、診断報告の作成で徹夜して、翌日の仕事でミスをするなんてNGです。

③ 会社の利益を損なわないこと。

  ・・例えば、会社の営業秘密を漏らしたりするのはもちろんNGです。

 

2)のパターンの場合も、相談の余地はありそうです。

それというのも、上の①~③が守られるなら、副業には利点があることが明らかになってきたからです。

 

現在は人手不足の時代ですから、会社としても副業をしようという人を雇いたいという希望があります。働く側も収入が増えると、やる気も湧きます。

社員が副業によってスキル(特に経営的スキルなど)を身に着けることができれば、経営人材が不足している会社にとっては万々歳です。場合によっては、ハイパフォーマーを給与を無理に上げずに引き留めることができるかも知れません。

 

企業内診断士の活躍の場が広がっていくといいなぁと思います。

それには、大企業の経営陣が頭を切り替えて、人材を抱え込まないで、市場に出していくことのメリットを享受しようとすることです。