盛土をしていないことが問題なのですが・・?

少し関わりがあるので豊洲市場問題には注目しているのですが、どうもピント外れです。

 

このブログでも何度か書きました。

私の古巣の会社も少しですが豊洲の土壌浄化の仕事に関わりました。その経緯から、豊洲の土壌汚染対策は心配が無いということを書いていました。しかし、昨年になって盛土がされていないことが明らかになって、不明を恥じることになりました。

 

現在の状況は、観測井から採取した検査水からベンゼンやシアンが環境基準を超える濃度で検出されている。技術委員会は、地下と地上は異なるので、安全に支障はない。と言っている。

まぁ、これは正しいのですが、それでは観測井からのサンプリングと分析は何のためにやっているのかと、市場関係者の不信と怒りは当然です。

 

問題の本質は、地上と地下は厚さ4.5mの盛土で分けられているはずだったのに、それが無いことです。アスファルトやコンクリートでセパレートされているという説明は明らかにおかしいです。50㎝のコンクリートと4.5mの土であれば、コンクリートのほうがしっかりしているような気がする人も多いと思います。しかし、これは全く違うのです。

 

分けるのは土でなければなりません。コンクリートはどんなに厚くてもズレたり亀裂が入ったりする危険がありますが、盛土ではそれはありません。

土のなかには微生物が生存しますので、ベンゼンのような有機物が存在すれば、それを食べる(分解する)ものが自然に集まってきます。これは、バイオレメディエーションという手法で、油汚染や揮発性有機化合物汚染の浄化に使用されます。

 

要するに、土壌汚染対策の肝は、4.5mの盛土です。4.5mの地下空間ではありません。

豊洲市場を安全宣言して、開場するには盛土をすることが最も自然です。これまでも書いていますが、必要な上屋を一時撤去し、盛土をして復旧させるのが、最も安上がりで工事期間も短いと思います。まぁ、今さらなんでしょうが?

 

都議会の百条委員会が開かれていますが、中央卸売市場問題の早期解決という目的ではなさそうです。浜渦元東京都副知事や東京ガスの元経営陣の証人喚問が報道されていましたが、成果はありません。そりゃそうでしょう。

問題は盛土がなぜされていないかの検証ですが、浜渦氏も東京ガスも関わりがありません。石原元都知事も同じです。喚問する相手が違いますね。