ハンバーガー1個作るのには、2400ℓの水が必要です

以前も書いたことがあるテーマですが、仮想水輸入についておさらいしておきます。

 

日本の年平均降水量は1700㎜(1.7m=0.0017㎞)ほどです。日本の面積は37万㎢ほどです。(国の公式数字は37.8万㎢ですが、北方領土は含めないとします。)

日本に降る雨の総量は、0.017×37万=630㎦になります。

1㎦は一辺が1000mの立方体ですから、10億㎥(10億t)です。

したがって、日本に1年間に降る雨の総量は約6300億tです。

但し、雨の40%近くは蒸発しますので、その分を差し引くと約4000億tになります。

水は川を流れて海に行くわけですが、その途中で取水をして使います。

日本で取水されている水の量は約800億t(20%相当)です。

800億tの使い道は、農業用550億t・工業用100億t・生活用150億tです。

 

数字が大きすぎるので、一人当たりに直します。日本の人口は1億2700万人です。

取水量 :800億t÷1億2700万人=630t

生活用水:150億t÷1億2700万人=120t・・365日で割ると300ℓ

 

ここまで読むと、日本は水には困らない豊かな国だと思ってしまいます。

しかし、日本は水の輸入大国という側面を持っています。

それは主に食品や衣料品によります。水が姿を変えて移動しているわけで、これを仮想水(バーチャルウォーター)と言います。

 

例えば、牛肉100gをつくるためには、牛が飲む水だけでなく牧草を育てる水なども必要ですから、合計すると1550ℓの水を使います。

牛肉を使うハンバーガー1個を作るのに必要な水は、2400ℓになります。同じように、綿のTシャツ1枚つくるには2700ℓの水が必要です。

こうして合計した仮想水の輸入量は、日本の取水量の合計とほぼ同じで800億tです。

つまり、日本の水自給率は50%ということになります。

 

もちろん、地球上の全ての人がふんだんに水を使えるのであれば、問題はありません。

しかし、生きていくのに最低限必要な1日当たり20ℓの水を手に入れられない人が、世界には10億人以上もいます。今後も増えていくだろうと予測されています。

水問題は、難しいテーマですが重要です。また、「地産地消」は水問題の解決策の一つです。