因島で除虫菊の不思議

私の古巣の会社は、第二次大戦中までは蚊取り線香もつくっていました。

 

因島観光協会 因島の除虫菊
因島観光協会 因島の除虫菊

現在では、蚊取り線香の殺虫成分は人工的に合成されます(ピレスロイド)。

しかし、昭和40年頃までは、除虫菊の花の胚珠から採取されるピレトリンという天然成分を利用して作られていました。

 

除虫菊の産地として、広島県の因島は有名です。白い花弁が一列に並んだ花が咲く除虫菊は、因島のシンボルで、昭和58年に旧因島市の花に制定されていました。

 

 

 

 

私たちは、因島は日本で唯一の「一島一市」の市として学校で習いました。しかし、現在では、平成の大合併で尾道市に編入されています。

因島は、本因坊秀策の出身地として「囲碁で島興し」をしています。人口3万人ほどの小さな島ですが、東ちづるやポルノグラフィティー、湊かなえなどの多彩な人物を輩出しています。

 

ところで、除虫菊の花になぜ殺虫成分が含まれるのか?ちょっと不思議です。

花というものは蜜の甘い香りで虫を誘うものです。そうして受粉して子孫を残すわけですから、虫を殺してどうするんだと思いました。

尋ねてみると、花びらや雄しべ・雌しべに殺虫成分があるわけではなく、胚珠という花の下の膨らみに毒があるのだそうです。花や葉を食べる虫をやっつけるわけで、花や花粉を守っているのです。なるほど、納得です。

 

私の古巣の会社の蚊取り線香製造は大戦中の昭和18年に軍の命令で終わっています。

当時の蚊取り線香は南方での戦争には欠かせない軍事物資だったそうです。増産増産に追われていたようですが、効率的に生産量を増やすために最大手の大日本除虫菊株式会社(ご存じのKINCHO:金鳥)に集約されたのだそうです。

☞ 戸田工業 創業ものがたり「彩磁記」