白鵬1000勝・・負けから学ぶ力

大相撲の横綱白鵬が史上三人目の通算1000勝を達成しました。

 

大相撲で1000勝を超えているのは白鵬を含めて三人です。

1位は、大関魁皇の1047勝(700敗:勝率.599)です。1000勝は133場所目。

2位は、横綱千代の富士の1045勝(437敗:勝率.705)。1000勝は117場所目。

そして、白鵬は1000勝(207敗:.829)。今場所が93場所目です。

 

白鵬が古今東西の力士のなかで最高の存在であることに異論を持つ人は少ないと思います。

実力だけでなく、人気もあります。また、以前のブログにも書きましたが、度重なる不祥事で大相撲が存亡の危機にあったときに、一人で支えてくれました。人格や見識においても、一頭地を抜いている存在です。

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白鵬の凄さは、魁皇や千代の富士と比較して、勝率が際立って高いことでわかります。

2連敗が大ニュースになり、3連敗したら引退報道が出る力士など、空前絶後です。

 

魁皇は休場もありましたが、無事是名馬で38歳まで現役で活躍しました。1000勝を達成していますが、勝率は約6割です。

名横綱ウルフ千代の富士の勝率は約7割です。千代の富士は、大関・横綱になってから強くなった不思議な力士です。大関・横綱での勝率が、663勝119敗(.848)と高いのですが、実は平幕時代14場所の成績は98勝105敗と負け越しています。(三役でも小結では3場所で21勝24敗)

 

白鵬がここまで高い勝率で勝ち星を重ねたのは、負けから学ぶ力が秀でていたからだと思います。負けて悔しがる、負けを振り返る力の強さです。

力士のなかには、負けを引きずらない。負けた日はゲン直しに飲みに行くといった考えの人が多いようです。しかし、野村克也監督の「負けに不思議の負けなし」です。

白鵬は、負けた原因をきちんと分析して、次は負けないようにしています。そもそも、これほど露骨に負けて悔しく思う力士が少ないでしょう。

 

会社の経営でも同じで、「勝ちに不思議の勝ちあり」で上手くいった事業を分析しても、幸運だったで終わる場合も多いものです。負けのなかから勝つ手立てを見つけるほうが容易です。

また、勝っているときに経営革新を謳っても社内が本気になり難いものです。負けたときのほうが、社内一丸になりやすいです。

負けの事実を忘れずに、負けの経験を大事にすることが、常勝会社をつくることになります。