日経新聞の一面でフィンテック(FinTech)が度々取り上げられるようになっています。
”フィンテック”って、いったい何? と聞かれることがありますが、実態は曖昧です。
金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を融合して”フィンテック”という造語が出来ています。この場合のテクノロジーとは、情報技術。つまり”IT”のことです。
一般にフィンテックは3つに分けられます。
1番目は、決済や送金の分野。
ちょっと印象が悪いですが「仮想通貨」を使って、決済や送金をする技術です。
中小企業の場合、銀行の送金手数料負担は馬鹿にならない金額になります。2万円を振
り込むのに、600円+消費税42円の送金手数料なら3%に相当します。営業利益率3%
を上げている中小企業は少ないので、送金手数料のために働いているようなものです。
仮想通貨なら、銀行の中央サーバーを使用しないで、インターネット上で決済されます
から送金手数料は不要です。日本では、マウントゴックス社が破たんして、怪しげな肥っ
たあんちゃんがテレビで訳の分からない話をしている映像から、「仮想通貨」=いかがわ
しいという印象が深いと思います。
しかし、三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨「MUFGコイン」の発行をします。
日本のメガバンクが発行して、1コイン=1円に固定されるとなれば、国内の決済や送金
に広く普及する可能性は高いです。三井住友銀行やみずほ銀行など、追随してサービスの
競争になれば使い勝手もよくなりそうです。
2番目は、資金調達と運用の分野。
山口県でも山口ソーシャルファイナンスがKAIKA(開花)というクラウドファンディ
ングを運用しています。これは、投資型といわれる資金調達の手法ですが、フィンテック
の活用の一つです。これについては、今度詳しく書きます。
3番目は、コンサルティングの分野です。
中小企業診断士(日本では経営コンサルタントの唯一の国家資格です)にとっては、
死活問題です。
先にAIの説明。アーティフィシャル・インテリジェンス(Artificial Intelligence)
の略語です。人工知能と訳されます。
中小企業の財務データ(日々の会計データや仕入・販売記録などを含む)を基にして、
AI(人工知能)が経営を分析して、コンサルティングをおこないます。
中小企業診断士なんかに依頼しなくても、経営のアドバイスを人工知能がしてくれるっ
てことです。
しかも、人工知能はデータを基に、顧客ごとに最適な見積書を作ったり、請求書を発行
したりします。需要を予測して、最適な時期に最適な量の仕入発注を自動でおこなうこと
もします。在庫管理も人工知能でばっちりです。
会社がレジ方式なら銀行口座と連携して、出入金情報から自動で仕訳して、会計業務も
全て瞬時におこなわれます。消費税増税や軽減税率導入などの際にも、システムは即時に
変更されますから、頭を悩ます必要は一切ありません。
確定申告も御茶の子さいさいです。あっ、税理士さんにも死活問題かな?
更にすごいのは、現金預金が残ったら自動で投資・運用してくれます。予め、希望を
人工知能(ロボ・アドバイザー)に伝えておけば、希望に沿った運用を、全世界の株式や
債権を対象にしておこないます。勝手にお金が増えていくんですよ。スゴイ!
既に、これらのサービスは単独では受けることができます。
ご興味がございましたら、お近くの中小企業診断士にご相談ください。m(_ _)m