創るときから、会社をたたむときのことを考えておく

 起業・創業して法人成りする時点から、会社のたたみかたを考えておきます。

 

 自然人(人間)は、いつか必ず死にます。法人(会社)には決まった寿命はありません。

 

 起業・創業すると、どこかの時点で「法人成り」して会社にします。

 法人成りする理由には、会社にしたほうがカッコいいとか、信用が増すだろうとか、とか漠然としたものもあります。一般には、税金を節約できるとか、入札や登録の資格として法人成りが必要といった現実的な理由のほうが多いでしょう。

 

 会社には寿命がないというのは、会社が創業者の手から離れて自立して発展している場合です。後継の経営者が誕生して、資本と経営の分離も上手くいっているときです。

 日本は世界一長寿企業の多い国ですが、それでもこういう会社は1%にも満たないでしょう。

 多くの会社は、どこかの時点でたたむことになります。

 シニア起業などの場合は特に、会社をたたむときのことも考えて法人化します。

 

 会社のたたみかたには、大きく分けて3つあります。

 1.事業を終了させる ・・・ 廃業や任意整理

 2.事業を手放す   ・・・ 売却・譲渡や他社との合併

 3.法的な手続き   ・・・ 自己破産・特別清算

 

 最後の自己破産のことを考えて起業する人はいないでしょうし、そんな必要もありません。

 意識するのは、事業の終了です。

 

 会社を興す理由もいろいろですが、会社をたたむ理由もいろいろあるでしょう。ときには、計画よりも早めにたたむことになるかも知れません。

 会社が事業を終了する時点で、人・モノ・金・情報の処分がきちんとできているように意識します。

 

 人・・従業員の給与・退職金を準備していることは当然ですし、再就職先や次の仕事の確保

    など身の振り方まできちんと対応します。

 モノ・・会社の不動産、商品在庫や会社の備品などの処分をきちんとします。

 金・・最もたいへんなのはお金です。金融機関から借金や買掛金の未払いなどを残すことな

    くきれいにしておかなければなりません。

 情報・・会社をたたんでも計算書類などは10年間保管しなければなりません。それより、販

     売した商品や、建設業なら建物や設備の情報はそれがある限りは管理します。

 

 経営者は、万一のときに、会社をスムーズにたためるように、日頃から心配りをしておくことが大切です。

 

 ※ 事業を手放すときのことは、また書きます。