東京都にPDCAのPの手順を知る人がいなかった?

管理のサイクル=PDCAサイクル 最初のPはプラン(計画)です。

 

豊洲新市場の破天荒な工事内容について、東京都?(一体、誰なのかはわかりません)の見解というのが報道されています。

 

例によって、意味不明な弁明と言うか、開き直りと言うか、自ら墓穴を掘っていくようです。

 

素直に、「当時はこういう事情があって、そこでこのように考えて、結果としてこのように決定いました。上司もまぁ、それでいいだろうと決済したので、これで進めることにしました。それをあからさまに説明すると。反対する方もいると思われたので、嘘をつかない範囲で曖昧な話し方をしました。

 

 

幸いにも、一番手強いかと思った技術会議の委員さんからも何の指摘もなかったので、そのまま流しました。工事の内容を、積極的に隠していたということはありません。

もちろん、積極的に広報したわけでもありませんが、知事や議会向けの資料にも図面は載せています。その気があれば、小学生でも読み取れる図面です。どうも、すみませんでした。」くらいの話をしたほうが、素直でいいですね。

 

さて、管理のサイクルでは、最初のP(プラン=計画)が一番重要です。当たり前のことで、P(計画)がなければD(実行)できませんし、C(確認)はP(計画)とDの結果を比較することでおこなわれます。

 

P(計画)をつくるときには5つのステップがあります。

1.目標を明確にする。 ・・・ QCDSE(品質・コスト・納期・安全・環境)

2.現状を把握する。  ・・・ 重要なのは「事実」に基づいた現状把握。

3.方向性を見定める。 ・・・ 真の課題を恒久的に解決する方向性のことです。

4.施策を決定する。  ・・・ 複数の案のメリット/デメリットを比較します。

5.計画を策定する。  ・・・ 実行計画には進捗報告の時期・内容を含めて「見える化」。

 

豊洲新市場プロジェクトの場合、この手順がきちんと取られていないですね。

目的では、Q(品質)ではマグロの解体する包丁が使えない魚市場と冗談みたいなことになっています。それでは、C(コスト)は? D(納期)は? S(安全)は? そして、今回の最も大切な E(環境)は? どういう目標設定だったのでしょうか??

 

もちろん、計画をつくる過程で、全ての目標を達成できない場合はあります。多くの場合、Q(品質)とC(コスト)は明解なトレードオフの関係にあります。

その他の、要素の関係も同じで、あちらを立てればこちらが立たずです。

 

そこで、P(計画)のなかでもPDCAを廻して、目標を見直すことも、製法や工法など施策の内容を見直すことがあります。その際に、忘れてならないのが「MECE」と「見える化」です。

「MECE」は「漏れなく、ダブりなく」というクリティカルシンキングの用語ですが、目標や手順の抜けや重複を避ける手立ては重要です。QCDSEのどれか一つが抜けても、どれか一つに偏ってもプロジェクトは成立しません。

 

「見える化」(あるいは「見せる化」)の重要性は説明の必要がないほど、ものづくり企業では広まっています。どれだけ多くの人に、漏れなく「事実」を見せて知恵を集めるかが、成功の鍵だということは、よく知られています。