無料の高速道路が延伸すると・・?

 昨年3月に全線開通した広島県尾道市~島根県松江士を結ぶ「中国やまなみ街道」は、無料の高速道路です。

 

山陰と山陽を2時間余りで結ぶ、文字通りの大動脈が誕生しました。

 

中国やまなみ街道で、特徴的な面白いところは、サービスエリアやパーキングエリアが設けられていないことです。当然、ガソリンスタンドもありません。

そこで、高速道路を出て休憩や食事、給油などをおこなうわけですが、インターチェンジの出口近く(数百mから数㎞のところ)に「道の駅」が配置されています。インターチェンジと言っても、料金所がありませんから、高速道路のSAと大した違いはありません。むしろ、何も制約がないので、ユニークな運営が可能で、繁盛しています。

 

最近では、一般の「道の駅」のなかにも採算が取れなくなっていて、赤字の施設も増えています。

しかし、無料の高速道路で、サービスエリア代替を目的にインターチェンジの近くにつくった「道の駅」ならば、ある程度の安定した需要が獲得できます。詳しいデータはわかりませんが、収入面でも好成績をあげているように見えます。

山口県でも山口宇部道路・小郡道路など無料の高速道路があります。距離が短いので特別な休息は必要ないのですが、小型の「道の駅」なら収支が合うかもしれません。

 

さて、無料の高速道路ができるのは利用者にとっては便利で良いのですが、建設維持費は当然ながら税金です。受益者負担は無いので、広く薄く集めます。

よく考えると、高速道路の採算性を改善するために道路公団を廃止して民営化を果たしたわけです。主要な高速道路はもともと採算性が高いので、これを民営化すると運用会社は黒字になりやすく。民営化後は、サービスエリアの増改築などで収入を増やしていって、赤字幅を圧縮できました。

 

結局のところ、民営化した高速道路は黒字になったのですが、新たに赤字路線を無料の高速道路として税金で建設するのでは元の木阿弥のような気がします。

計画がたくさんあるようです。気分よく走ったのはいいですが、あまり延伸していくと、将来の財政がちょっと心配です。

安全性を保ちながら、安価に維持補修できる技術を取り入れていく必要があります。