商店の効率化と社会の効率化

 商店街がシャッター通りになっていたり、小さな商店がつぶれたり・・商業の課題です。

 

 店舗の数が少なくて、一店舗の規模が大きいほど、商業の効率は高くなります。

 日本でも、地域の小さなお店は減っています。小さなお店の集合体である商店街も減っています。代わって、大規模なスーパーやショッピングセンターが増えていっています。

 ビジネスにおいて、効率を高めようとするのは当然のことです。一時期は、大型店舗を法律で強く規制していましたが、いびつな政策ですから徐々に緩和されてきました。

 

 大型店では、従業員一人当たりの売上高が大きいのは当然ですが、環境やエネルギーの面でもメリットがあります。

 店舗が大きくて、電力など大量にムダ使いしているように見えても、大型の機器のほうが効率がよくて、売上高当たりのエネルギー使用量(原単位)は小規模店より高くなります。

 また、大量仕入れ・大量販売をしますが、商品の売れ筋管理をきちんとするので、販売に対して在庫の比率が少なくて済みます。食品などでは廃棄する比率も低く抑えられます。

 

 しかし、社会全体の環境やエネルギーに着目した効率を考えると、小規模な小売店にもメリットは大きいのです。

 例えば、家の近くに小規模な店があれば、買い置きが少なくて済みます。欧米の買い物ではクルマいっぱいの商品を買って帰る様子が見られますが、それだけの保管スペースとか巨大な冷凍冷蔵庫を準備しないといけません。そうすると、確かに店舗のエネルギー効率は高いのですが、家庭でのエネルギー効率は悪くなります。

 また、大量に買い置きすると無駄になって棄ててしまうものが増えることにもなります。

 

 我々が考えないといけないのは、社会全体の効率です。大型店には大型店のメリットがあり、小規模店舗にもメリットがあります。それを地域社会でトータルして考えるのです。

 商店街の活性化を考えるときも同じです。もともと地元住民が近くにたくさん住んでいたから、買い回りのために商店街ができたのです。ところが、住宅が住環境の好い郊外に移ってきたために、近くに住民が減ってしまったために廃れた商店街もあります。

 では、郊外の住民を呼び込むために大きな駐車場をつくるというのが、地域社会トータルで効率的かどうかは、よく考えないといけません。

 

 それでも、欧米と比べると日本には、まだまだ小規模な小売店がたくさん残っています。

 最も効率的な=地域社会として合理的な、大型店と小型店の混合比率を中長期の視点で考慮して、計画することは大切なことです。