国際的な知的財産権の勧誘には慎重に!

中小企業向けに、中国(中華人民共和国)を対象にした知財セミナーが開催されています。

 

今日のブログはさすがに攻めすぎです。と冒頭から、反省してごめんなさい。

 

このところ、中国を対象にした中小企業向けの知財セミナーがしばしば開催されるようになりました。ついに来たか!という印象です。 

ざっくばらんに言って、特許とか知的財産という権利は今や国際的には崩壊しています。

 

日本では、2006年に40.8万件あった国内特許出願件数は、10年経って2015年には31.8万件と9万件減っています。請求件数では、38.2万件が24.1万件に減りました。

 

 

一方で、中国が出願する知財は爆発的に増えています。

2005年からの10年で、特許出願件数は5倍になり世界の3割以上です。商標では世界の5割以上、意匠(デザイン)では世界の7割近くが中国からの出願です。しかも、日本を含む世界の主要な特許庁にもどんどん出願するのです。

簡単に言えば、世界の特許・知的財産の半分は中国が占めているのです。

 

日本の(欧米も)特許出願が減っている大きな理由は、グローバル企業からの出願が減っていることです。この原因も、簡単に言えば、中国です。

残念ながら、知財には有効な国際ルールがありません。一応、国際条約があって、中国も加盟していますが、力はありません。それぞれの国が侵害か否かの判断を下します。

 

中国での知財はまさに「やりたい放題」です。

仮に中国で知財権を取っても、平気で侵害されるのが落ちです。

半導体などポケットに入れて持ち出されるような業界では、中国で製造すると秘密にできないので、お守り代わりに特許を出さざる得ない会社もあります。しかし、それ以外の業界では、特許で技術を公開するより、秘密にしていたほうがましです。

 

大企業は、中国で知財は守れない。あるいは知財権(特許権・商標権)には意味が無いことを知っています。中国では、法律や規制の条文は賑々しく存在しており、文字の国・漢字の国ですから、専利法(特許法)も立派な文章で書かれています。

しかし、中国における法律や規制の文章は、政府が人民を縛るための武器であり、人民を守る防具ではありません。知財関係でも全く同じで、ただ政府にとってのみ矛であり、日本など海外企業を守る盾にはなりません。

 

これらのことは知財専門家もよく知っているのですが、はっきりは言いません。なぜなら、日本を含む世界中の知財専門家が食べていくためには中国知財に関わらざるを得ないのです。

 

日本の大企業(グローバル企業)は、実情をよく知っているので、知財での争いは避けます。そこで、知財専門家の最近のターゲットはもっぱら中小企業になります。

「中小企業のための中国知財制度の基礎知識」

「中小企業には、なぜ中国で知的財産権が大事なのか]

「中国の出願件数・訴訟件数は今や世界一 中小企業の知財戦略」

などといった、知財セミナーを開催して、中小企業の人を集めます。

 

残念なことですが、日本の中小企業が知財で争って勝てる可能性は低いです。

これは、日本国内で日本の大企業に対して争った場合でも同じです。

 

日本では(というか、中国以外の国では)「発明」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」という定義です。

ところが、中国特許法(専利法)の「発明」とは、「製品・構造あるいはその結合に対して提出される新しい技術法案」と定義されています。

つまり、自然法則に反していても、創作でなくても、新しければ構わないのです。

 

結果として、「スマホの音声をクリアにするリンゴのマーク」という特許も認められてしまいます。あなたのリンゴのマークはメーカーを識別するためのもので、私のマークは音声をクリアにするのだから目的が違う。と言って訴訟に敗れます。

もし勝てたとしても、膨大な訴訟費用が掛かります。

 

日本の中小企業者が、武士道精神を発揮しても討ち死にです。

知財の権利化は無敵の武器にはなりません。膨大な費用と労力が掛かりますから、よくよく考えたほうがよいです。