ルーズヴェルトゲームでCarp優勝へ一歩

野球で、8-7のスコアで逆転勝ちとなる試合をルーズヴェルトゲームと言います。

 

昨日の試合、Carpはマツダスタジアムの巨人戦で、最終回に新井さんのサヨナラツーベースで8-7の逆転勝利を上げました。

この試合をもし負けていると、Carpは5連敗で追う巨人は8連勝となり、最大11ゲームあった差が3.5ゲームに縮まるところでした。なにしろ25年間優勝から遠のいているCarpですから、精神的には首位陥落したも同然となるところでした。

この1勝は、月並みですがめちゃくちゃ大きい勝利です。

 

8-7の試合をルーズヴェルトゲームと言うのは、アメリカ大統領フランクリン・ルーズヴェルトが「野球で一番おもしろいスコアは8-7だ」と言ったからです。1937年の逸話だそうです。

 

野球は点取りゲームですが、今のプロ野球では1試合に4点くらいが平均的な得点です。

8-7というスコアは、点の取り合いで、平均的な試合の2倍の得点が入っています。

野球は投手戦が面白いというツウの方もいますが、パーフェクトゲームとかノーヒットノーランでもなければ、やはり打撃戦のほうが素人には面白いです。

もちろん、ホームで逆転勝ちが最高です。

 

さて、フランクリン・ルーズヴェルトは1933年から1945年にかけて12年に渡ってアメリカ大統領を務めました。当時は2期8年というルールがなかったのです。

 

1920年代のアメリカ経済は空前の繁栄を欲しいままにしていました。それは、過剰生産と過熱投機をもたらしてバブルを膨らましていき、1929年にニューヨーク株式市場の大暴落から大恐慌を引き起こします。この米国発の大恐慌は世界経済の大混乱、欧州も日本も、そしてアジアやアフリカの植民地や従属国をも巻き込んだ世界恐慌へとつながります。

 

ここに、国際協調と安定の時代は終焉して、世界各国がそれぞれの思惑で手段を取ることになります。アメリカ・イギリス・フランスなどの先進資本主義国は輸入制限や関税引き上げなどで自国を恐慌から逃れようとし、日本・ドイツ・イタリアなどが対外侵略を進め、アジア・アフリカで反帝国主義の民族運動のうねりが拡がりました。

 

ルーズヴェルトは工業生産が半分に落ち込み、失業者が1000万人を超えるアメリカで大統領に就任します。

ニューディール政策と銘打って、大胆な金融緩和・大規模な財政出動と公共投資、規制緩和と自由貿易を進めます。・・どこかで聞いたような政策ですよね?

この政策はある程度の効果も上げたのですが、日独伊の全体主義的国家の確立も、ロシアから拡がる共産主義の波も容認することになり、世界は第二次大戦への道を歩み始めます。

 

アメリカ経済を大恐慌から立ち直らせた大統領はルーズヴェルトであることは間違いないのですが、ニューディール政策が成功したわけではなく、自国(本国)領土から離れた場所で行われた大戦の経済効果によるところが大きいです。

 

余談ですが、この時代を欧米の歴史家が書いた文章の人名と国名を、現在お馴染みの人名と国名に入れ替えると、第三次世界大戦を描いた近未来小説があっという間に書けます。

結構、リアリティーがあるので怖いです。

 

ルーズヴェルトは、第二次大戦の終結前の1945年4月に大統領在職のまま脳卒中で休止します。64歳でした。