113番元素は「ニホ二ウム」 ちょっと嬉しいです

 周期律表に日本はもとよりアジア圏に関わる名称がつくのは初めてのことです。ちょっと嬉しい。

 

 理化学研究所のグループが発見した「113番元素」を「ニホニウム」に決めたそうです。

 元素に日本はもとよりアジア圏に由来の名称がつくのは、初めてのことです。尚、113番元素は人工的につくられたので、発見というより合成のほうが正しいかも知れません。

 これからも119番・120番など発見が期待されている元素があるそうですから楽しみです。

 

 元素には、鉄とか金・銀・銅・亜鉛・鉛など昔から知られたものがあります。これらを除いて、人類が発見した最初の元素として文献に残っているのは「15番リン」です。1669年にドイツの錬金術師ブラントが尿から単離に成功しています。

 その後、18世紀後半から19世紀初頭にフランスのラボアジェ・イギリスのデービーなどが次々に元素を発見していきます。特にデービーは、1807年から1808年に掛けて「11番ナトリウム」「12番マグネシウム」「19番カリウム」「20番カルシウム」「56番バリウム」とどんどん見つけます。

 

 「92番ウラン」までは自然界に存在する元素です。ウランは1789年にドイツ人のクラップロートが発見しました。

 93番以降の超ウラン元素は、天然にはごく僅かしか存在しないので、合成によって発見されています。「93番ネプツニウム」「94番プルトニウム」は1940年にカリフォルニア大学バークレー校のグループによって発見されました。その後、続々と新元素が発見されています。

 

 地名がついた元素は20以上あるのですが、先に言ったようにアジア圏由来はありませんでした。

 地名由来の主な元素でよく使われるのは、「31番ガリウム」(1875年にフランス人のボアボードランが発見して、フランスのラテン名”ガリア”から)・「32番ゲルマニウム」(1887年にドイツ人のウィンクラ―が発見して、ドイツの古名”ゲルマニア”から)の2つです。

 

 直接的でわかりやすい名前としては「63番ユウロピウム」(ヨーロッパ)・「84番ポロニウム」(ポーランド)・「87番フランシウム」(フランス)・「95番アメリシウム」(アメリカ)などがあります。

 

 変わったところでは、「98番カリホル二ウム」(カリフォルニア)と「97番バークリウム」(バークレー)は、1949年から50年にカリフォルニア大学バークレー校で発見された元素です。

 もっと面白いのは、スウェーデンのイッテルビーという町で採取された鉱物から分離された「39番イットリウム」「65番テルビウム」「68番エルビウム」「70番イッテルビウム」で、一つの地名に由来した元素が4つもあります。

 

 さて、「ニホ二ウム」はいいですね。「ジャパニウム」でないところも好ましいです。これからも、日本の研究機関の成果に期待しています。

 

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