平田機工~本社を熊本移転~

産業用機械メーカーの平田機工は東京にある本社を35年ぶりに発祥の地・熊本に戻します。

 

【ニュース記事】

生産設備メーカーの平田機工は12日、本社を東京都品川区から熊本市北区に変更すると発表した。同日開催の取締役会で決議した。6月23日の株主総会に提案する。

平田雄一郎社長は同日の記者会見で「全世界から、より多くの仕事を熊本に持ってくるというメッセージだ。熊本で生まれ育った企業として、県民の皆さまとともに、この苦難を乗り越えたい」と述べた。

 同社は昭和26年、「平田車輌工業」として熊本市で創業し、56年に東京都品川区に本社を移転した。

 

平田機工さんは、平成28年3月期決算で連結売上高530億円(経常利益28億円)という産業用機械メーカーです。自動車関連・半導体関連・家電関連・その他生産設備を手掛けています。名実ともに優良企業ですね。

 

今回の地震では、平田機工さんの社長秘書を三代に渡って務めている女性の方の自宅が、土砂崩れの被害に遭われて亡くなったということです。こういうことも背景になったのだろうと思います。

本社を移転するといっても、東京から人が移動するというわけではなく、登記上の本店を東京から熊本に35年ぶりに戻すだけということです。本社機能の移転ではないので、優遇税制の対象でもありません。(昨年のYKKさんの例は、東京から富山に本店登記でなく本社機能を移転しました。)

また、熊本市北区にある熊本本部工場の被害は軽微で、操業には支障はないそうです。

 

今後の流れとしては、大企業が本店・本社機能を地方に移転させたり分散させる動きは加速されるべきです。神戸・東北・新潟・熊本と大きな震災が発生しましたが、東京のリスクが減ったわけでもありません。

国の施策として地方に本店・本社機能を移すことを奨励して、税制などの優遇が設けています。

 

地方にルーツや由来がある企業の本店・本社がその地域にあるというのは、経済面だけでなく嬉しいものです。平田機工さんがきっかけになって、増えていくように思います。