三菱の三綱領 ・・ 近代日本のCSR

山口県でも多くの会社が三菱グループの仕事をされています。三菱の経営理念は、意外に知られていないので、ちょっと紹介します。

 

最初に、三菱グループとして経営の基本理念を共有している会社は約650社あります。

三菱重工業・三菱東京UFJ銀行・三菱商事・三菱化学・三菱地所・三菱自動車・三菱倉庫・三菱マテリアル・・など三菱の名前が付いている会社。

JXホールディングス・旭硝子・キリン・東京海上日動火災保険・明治安田生命・日本郵船・ニコン・大日本塗料・小岩井乳業・・・など三菱の名前の付いていない会社。

 

三菱の起源は、1870年(明治3年)に土佐藩が興し、岩崎彌太郎が経営・監督した海運会社(九十九商会)にさかのぼります。大雑把に言えば、今の日本郵船につながります。

 

岩崎彌太郎の時代は、1885年(明治18年)までですが、この間に多角化を図り、吉岡鉱山や高島炭鉱の鉱業(今の三菱マテリアル)・官営長崎造船所を譲受けた造船業(三菱重工業)・東京海上保険・明治生命保険・三菱為替店(今の三菱東京UFJ銀行)などを設立しました。

 

今の三菱グループにつながる経営の根本理念は、4代社長の岩崎小彌太(彌太郎の甥)が1930年代にまとめた「三綱領」というものです。近代日本企業の社是の代表と言われています。

三つの綱領は、「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」です。

 

以下は、三菱グループのサイトから引用しますが、その意味は・・

所期奉公=期するところは社会への貢献

「国家社会の公益を図るべし」

処事光明=フェアープレイに徹する

「手段を選ばず術策を用いて巨利を博すような取引はするな」

立業貿易=グローバルな視野で

「事業の根幹である対外貿易を忘れるな」

 

今の言葉で言えば、社会貢献、フェアプレー、グローバリズム。

CSR(企業の社会的貢献)を訴えています。