会社は永続きさせることができますが、ときには円満な廃業というのもあります。
会社の清算にはいろいろあるのですが、廃業するのが最適な選択となる場合があります。
会社には、多くのステークホルダーがいます。経営者・従業員・協力会社・提携先・顧客・購買元・近所の人・県市町村・金融機関・などなど・・。廃業するときには、このステークホルダーの最大多数の最大幸福を目指さないといけません。
これまで、支えてくれた人々の幸せを考えることが大切です。
最初に考えることは、借入金がある場合には、それを完済することです。
この返済が可能かどうかは、重要な要素です。
会社の土地・建物・機械などの事業用資産を売却したら、いくらの現金が手に入り、借入金返済に足るかを検討します。実は、これが結構難しいのです。
普通は、廃業する計画だということを内密にしています。ある程度の規模の会社であれば、社内の人にも隠します。それを伏せたままで、金額の見積りを誰にどういって頼むのか、頭を悩ませるところです。また、廃業するから売却したいというと、買い叩かれる危険もあります。
信用できる不動産業者や鑑定事業者を一生懸命に探さないといけません。
ある程度の目途が立ったら、金融機関への説明も重要です。担保とか保証などを整理します。
これと並行して、従業員がいる場合は再就職や、会社を離れた後の生活のことを手配します。協力会社があれば、じっくり説明しなければなりません。
お客さまには、代わりの会社を紹介することも必要ですし、近隣の住民の方にはお世話になったお礼をきちんとします。
会社を廃業すると言うと、悪いイメージを持たれることもあります。
しかし、清算バランスシートの純資産がプラスであれば、廃業が幸せな選択となることもあります。長年苦労してきた会社から離れて、一人の個人としてセカンドライフを楽しむのも悪くないかも知れません。