日本はゴミの吹き溜まり ・・ 海洋漂着物のはなし

海流の関係で日本海沿岸には多くのゴミが打ち上げられます。

 

 漂着物個数 (㈶環日本海環境協力センターHPより)
 漂着物個数 (㈶環日本海環境協力センターHPより)

左の図は、日本海を巡る海岸にどれだけの漂着物が流れ着いたかを調べた結果です。

A~Eが日本、Fがロシア、G・Hが韓国、Iが中国ですが、一目瞭然で日本が多いです。

 

海岸に漂着するゴミ問題は日本海側の各地では深刻です。特に、九州と山口県を含む中国地方の日本海側は漂流物の多いエリアです。

景観を損ねるだけでなく、漁業への影響や船舶の安全航行への支障などもあります。

 

日本国内で発生したゴミが河川を流れて海に出るというものがあります。船舶から投棄されるゴミもあります。最近、問題なのは外国で海岸に投棄されたゴミが流れ着くことです。

 

生ゴミなどは海で分解されますから、漂着するゴミの約80%はプラスチック、約15%が発泡スチロールです。残りが金属・ガラス・ゴム・布・陶器などになります。

 

近年、特に問題なのは漂流物のなかに「医療系廃棄物」が多数含まれていることです。注射器・注射針、薬瓶、点滴容器などが多数見つかっています。

こうした危険なゴミを、誰が責任を持って収集し処分するのかは明確ではありません。法律の原則はゴミを出す人が責任を持って処分することを求めます。出した人がわからない、しかも外国から流れ着くゴミをどう処分するのかは難しい問題です。

一応、「海岸漂着物処理推進法」で、”外務大臣は、国外からの海岸漂着物が存することに起因して地域の環境の保全上支障が生じていると認めるときは、必要に応じ、外交上適切に対応する。”とあるだけです。

感染症の危険など差し迫ったリスクもあります。もう少し踏み込んだ対応も求めたいところです。

 

どうも海洋ゴミ問題の注目が、「マイクロプラスチック」に過度に移ってきているのが心配で書きました。環境問題は、新しい発見によって注目される課題が出てくると、皆さんの関心がごっそり移ってしまう傾向があります。本質的で大きな損害を見逃さないことが大切だと思います。