TDBの「2016年全国社長分析」によれば、社長の平均年齢は59.2歳と過去最高を更新しました。
全国115万社の社長を分析した結果・・・
・社長の平均年齢は 59.2歳と過去最高となった。(70歳以上が18.6%・80歳以上も3.4%)
・社長は平均67歳のときに、平均50.8歳の後任に社長を譲っている。(16.2歳も若返るのは、親子など親族承継が60%強あるから)
・社長交代率は3.88% 低水準が続いている。
・社長の平均年齢が高いのは不動産業・製造業、低いのは通信サービス・IT関連・福祉事業。
・社長の平均年齢が高いのは岩手県・秋田県、低いのは滋賀県・三重県。
・規模が小さい会社は高齢ほど社長が多い。(年商1億円未満では70歳以上の社長が21.4%)
社長の高齢化が必ずしも悪いというわけではありませんが、社長のノウハウや人脈・ときには技術やスキルを会社にきちんと残すには、適切な時期の社長交代が望まれます。
同族の中小企業の場合、社長が55歳になったら事業承継計画をつくり、60歳になったら事業承継計画を実行して、65歳になったら後任に社長職を譲る。くらいが理想的です。
この場合、直接親子承継ではなく兄弟や社内の第三者などで一旦つなぐことも考えられます。
きちんとした社長交代(事業承継)には、5年の時間は必要です。
社長交代が進まない理由には、高齢の社長が席を譲らないというケースと、次期社長候補が誰も社長になりたがらないというケースがあります。どちらかと言えば、後者のケースが多いと思います。
中小企業の場合は、社長になってもいいことばかりではありません。
従業員より収入の少ない社長も多いです。子どもさんが会社勤めなどしていると、わざわざ辞めてまで社長になってくれません。収入が減るは、リスクはあるでは逡巡します。
さらに深刻なのは、借入金の個人保証や担保提供です。
個人保証については、平成26年に「経営者保証に関するガイドライン」ができていますが、適用条件を満足するのはなかなか難しいのが現状です。
担保提供の場合は、親子間で漏れなく相続や譲受ができればよいのですが、相続は思うようにはいかないものです。
結果として、休廃業や解散を選択する会社が増えています。
しかし、会社には寿命がありません。残すべき会社は残すべきです。
できるだけ早い時期から社長交代の準備をはじめることが望ましいのは確かです。個人保証や担保提供の課題も時間を掛ければ解決は可能です。
一方で、承継の準備をするのに遅すぎるということもありません。何かのきっかけがあったら、はじめの一歩を踏み出す決断をすることです。
会社(法人)は人間(自然人)と違って、寿命がありません。ずっと生き続けることもできます。会社を永遠に発展させることを目指していきましょう。