マイケル・ポーターの「共通価値」 前置き

あるセミナーのテキスト。おなじみのマイケル.ポーターの「5つの力」からはじまります。

 

マイケル・ポーターは、1947年生れですから今年69歳です。プリンストン大学で機械工学を学んだ後、ハーバード大学で経営学を修めました。ハーバード大学大学院教授です。

ポーターが「競争の戦略」で”5つの力”と”3つの基本戦略”を提案したのは、今から35年も遡る1980年のことです。1980年代は、生産過剰で需要が伸びない時代で、企業間競争が非常に激しくなっていく時代です。その後は、新興国の経済発展などで需要が拡大していく時代になります。

 

”5つの力”が有名なポーターは、古臭いと言われた時期もありました。

”5つの力”は、「既存企業間の競合」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」「将来の新規参入者」「代替品の存在」という5つの力が、企業の利益の奪い合いに関わると言います。3C分析(自社・顧客・競合)を深掘りする優れたフレームワークです。

 

”3つの基本戦略”は、企業の競争優位はユニークな戦略ポジションを見つけることで決まり、「製品差別化」「コスト主導型」「集中」の3つがあると言います。但し、創業や多角化など特別な場合にしか、戦略の選択には意味が乏しいと言う意見もあります。

 

マイケル・ポーターは、2011年に「共通価値の戦略」で、”共通価値の創造”という新しい概念を提起しました。この提起以降、世界の経営者が自社の持続可能性の向上に関心を深めて、経営の舵取りを変えています。

このような背景で、マイケル・ポーターは、昨年11月にThinkers50/2015で10年ぶりに1位に返り咲きました。

Thinkers50は、2年に1度発表される優れた経営思想家のランキングです。

2015年  1位 マイケル・ポーター     2位 クレイトン・クリステンセン

2013年  1位 クレイトン・クリステンセン 2位 W・チャン・キムとレネ・モボルニュ

2011年  1位 クレイトン・クリステンセン 2位 W・チャン・キムとレネ・モボルニュ

2009年  1位 C.K.プラハラード      2位 マルコム・ゴールドウェル

2007年  1位 C.K.プラハラード      2位 ビル・ゲイツ

2005年  1位 マイケル・ポーター     2位 ビル・ゲイツ

2003年  1位 ピーター・ドラッカー    2位 マイケル・ポーター

2001年  1位 ピーター・ドラッカー    2位 チャールズ・ハンディ

 

”共通価値”については、明日書きます。